ソフトバンク対日本ハム 最後を抑えたオスナ(手前)を出迎える小久保監督(撮影・梅根麻紀)

<パ・CSファイナルステージ:ソフトバンク3-2日本ハム>◇第3戦◇18日◇みずほペイペイドーム

こりゃ強か~! パ・リーグ王者のソフトバンクがクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージで無傷の3連勝を飾り、4年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。ファイナルステージで無傷突破は20年以来、球団4度目。小久保裕紀監督(53)は勝ちパターン投手の3連投を解禁する執念采配で、「新庄ハム」に一瞬たりとも流れを渡さなかった。圧倒的な強さで頂上決戦に駒を進め、4年ぶり12度目となる日本一を目指す。

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小久保監督の目は輝いていた。優勝監督インタビュー。「監督の目には光るものがあるように見えるが?」と問われると「いや、ありません」と真剣な顔で即答した。指揮官らしい冷静な回答に、球場は笑いに包まれた。待ちわびた4年ぶりの頂上決戦への切符。小久保監督は勝利に飢えていたナイン、ファンとともに喜びを分かち合った。

執念を見せた。「勝っている試合はつぎ込むつもりだった」。勝ちパターンのヘルナンデス、オスナの3連投を決断した。今季は序盤にヘルナンデスが1度だけ3連投。諸事情で日本を一時的に離れるための処置だった。レギュラーシーズンでは基本的に封印してきた采配を大一番の短期決戦で解禁した。「シーズン中もほぼない起用をしたんですけどね。本当に見事に期待に応えてくれたと思います」。3連勝は全て8回ヘルナンデス、9回オスナが締めて勝利。両助っ人は無失点で応えた。

「僕は一番、流れを大事にするんで」。逃げ切る流れは手放さない。若き新庄ハムに1勝でも献上すれば勢いづかせる状況でもあった。執念は打順にも表れた。シーズンで2試合しかなかった「6番今宮」を3試合とも続けた。「6番今宮、有りだな」。第1戦で3安打を放ち、指揮官はニヤリ。この日も4回に犠打を成功させ、周東の決勝打が生まれた。「僕は打線の足を引っ張らないように」と指揮官。勢いそのままに無傷の3連勝を決めた。

セ・リーグのファイナルステージ勝者と26日から頂上決戦に挑む。ソフトバンクは現在、18年10月30日の広島戦から日本シリーズで12連勝中。頂上決戦で無類の強さを誇ってきた。「日本一になる。その強い決意を持って挑みたいと思います」。王者小久保ホークスが12度目の日本一をつかみにいく。【只松憲】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】小久保監督3連投解禁の執念采配「僕は一番、流れを大事にする」日本シリーズ進出