ソフトバンク対日本ハム 4回裏ソフトバンク1死二塁、正木の打球を落球する三塁手清宮(撮影・鬼束羽瑠菜)

<パ・CSファイナルステージ:ソフトバンク3-2日本ハム>◇第3戦◇18日◇みずほペイペイドーム

鍛え直してやり返す-。パ・リーグのCSファイナルステージは、日本ハムが3連敗し、アドバンテージを含め4敗となり、1勝もできないまま終戦が決まった。

前夜、今CS初の先制打を放った清宮幸太郎内野手(25)は4打数無安打。4回には自身のミスがきっかけで勝ち越された。夏場から打線をけん引も、悔しい幕切れを猛省。勝負どころでの決定力を磨きなおし、来季の雪辱を誓った。

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悔しさがにじみ出ていた。敗戦の瞬間、清宮はベンチからしばらく立ち上がらず、歓喜するソフトバンクベンチを、じっとみつめていた。「自分が情けないっていうか。全然、打てなかった」。王者の前に1勝もできずに敗退。無念の思いしかなかった。

1点を追う8回1死二塁、ヘルナンデスの152キロの初球に反応も、右飛に倒れた。前日は初回に適時二塁打を放つも、負けたら終わりの崖っぷちで無安打。「なんて言うんすか…まだまだだなっていうか」。相手の山川は2発放った前夜に続き、この日も初回に先制二塁打。近藤は4打数4安打と、同じ中軸として格の違いを、まざまざと見せつけられた。

手痛いミスも、あった。4回1死二塁の守備で、正木のライナーを落球。その後2死一、三塁から周東の適時打で勝ち越された。「僕のミスが点に絡んだんで。本当にチームに申し訳ないな、っていう思いが強いです」。1勝、1点を争う、緊迫した場面。断トツでリーグを制した王者は、1回の失態を、見逃してはくれなかった。

この痛みこそが成長の糧になる。6年前のCSは1打席立っただけ。二ゴロに倒れ、終わった。今回は打線の中心となり、チームをもり立てたが、そこまでだった。マークされ、レギュラーシーズン同様の打撃を出し続けられなかった。「常に安定していいパフォーマンスを出し続けられる心と技と体が必要だと思う。来年やり返すために、そこをしっかり鍛え直したい」と、来季を見据えた。

ロッテとのファーストステージを逆転突破した際は、うれしさのあまり涙がこぼれたが今回、涙はなし。ファイナルステージは悔し涙を流す余地のないぐらい、圧倒された。来季は違う。最後の瞬間まで「泣きべそ清宮」は封印し、必ずてっぺんに立つ。【永野高輔】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】清宮幸太郎「僕のミスが点に絡んだんで。本当にチームに申し訳ない」3連敗で敗退