巨人対DeNA 天を見上げる巨人阿部監督(撮影・宮地輝)

<セ・CSファイナルステージ:巨人1-2DeNA>◇第3戦◇18日◇東京ドーム

静まりかえった巨人ベンチに重苦しい空気が漂った。無風のまま終わってしまうのか。レギュラーシーズン3位で勝ち上がってきたDeNAに3連敗を喫し、王手をかけられた。3試合でわずか2得点。湿ったバットが打線を鈍化させた。

試合直後の取材で阿部慎之助監督(45)は感情を押し殺し、震える声で言った。「なんとか粘っていたけどね。あとはもう、意地を見ましょう。それだけです。以上」。15秒足らずで取材を打ち切り、足早に引き揚げた。

気持ちだけで勝てるほどプロの世界は甘くない。技術、戦略、データ、駆け引き、そのすべてがトップ・オブ・トップでぶつかり合う。長野を1番に据え、丸を3番に動かした。坂本をベンチスタートさせ、4番三塁に岡本和、5番一塁で大城卓を起用。日替わりオーダーでもがいた。

勝負の分かれ目は球際に凝縮された。同点の5回2死三塁、2番手赤星のオースティンへのカウント2-2からの5球目だった。外角を狙った直球を引っかけ、痛恨の暴投で決勝点を献上した。6回無死、宮崎の一塁線後方への飛球を背走で追った二塁手の中山はグラブに当てるも二塁打。9回1死、桑原の三遊間の打球も遊撃手の門脇のグラブの先っぽをかすめて二塁打。いずれも失点には結びつかずも、反撃ムードへの演出にもならなかった。

CSファイナルステージを4連敗で敗退となれば、14年以来の屈辱となる。一方で12年は、中日に3連敗からの3連勝で逆転突破を果たし、日本一まで上り詰めた。負ければ即敗退と文字通り後がない。あとは、もう意地を見せるしかない。それだけだ。【為田聡史】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【巨人】3連敗の阿部慎之助監督「あとはもう、意地を見ましょう」勝負の分かれ目は球際に凝縮