巨人対DeNA 5回裏巨人1死、オコエを空振り三振に仕留め雄たけびを上げる中川颯(撮影・宮地輝)

<セ・CSファイナルステージ:巨人1-2DeNA>◇第3戦◇18日◇東京ドーム

DeNAが守り抜いた。「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」のファイナルステージ第3戦で巨人に1点差で勝ちきった。2回に先制されるも、中川颯投手(26)、山崎康晃投手(32)がともにイニングまたぎで2回無失点ずつに封じるなど好リリーフ。守備でも牧秀悟内野手(26)、森敬斗内野手(22)が好守を見せてロースコアゲームを制した。ポストシーズン5連勝と猛烈な勢いは止まらず。アドバンテージ含めて3勝1敗とし、17年以来7年ぶりの日本シリーズ進出まであと1勝に迫った。

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鉄壁の守りで勝ちきった。1点ビハインドの3回1死満塁、内野は前進守備を敷かない。

牧が巨人大城卓の二遊間への当たりに飛び付いた。「次の1点で勝負が決まると思ってた」と気迫あふれるダイビングキャッチで二塁にトスし、併殺を完成させた。三浦監督も「ビッグプレーでした。いっぱいいっぱいの中で流れを引き寄せてくれて昨日に引き続き、よく守ったと思います」と感謝した。

リリーフもしのぎきった。4回を佐々木が無失点、5、6回は中川颯が打者6人を完全投球。7、8回は山崎が気迫の投球で役割を全う。9回は森原が締めて1点差を守り切った。山崎は「ブルペンでも『誰が行くか分からないぞ』と声が飛んでますし、みんなで1つの目標に向かってやっている」と一丸でつないだ。

指揮官が重視する凡事徹底の精神が形になりつつある。「27個のアウトを1つ1つどれだけ大事にできるか。取れるアウトをとらないと、相手の打順の巡りも良くなって終盤に響いてくる」とシーズン中から繰り返してきた。8月には平凡なゴロを野選で失点を招いた森敬には「ああいうプレーをしていたら試合には出られない」と即座に2軍調整を命じたこともあった。それでも森敬は2軍で毎日の“個別特守”で基本から見直し、この日も好プレーと強肩を披露して堅固な守備で貢献した。

今季、チーム防御率はリーグワースト2位の3・07で96失策は12球団ワースト。点を取られても圧倒的な攻撃力で打ち勝ってきた。しかし、CSに入ってからは5試合で6失点、失策は0。牧は「シーズン中は投手に申し訳ないプレーばかりだった。(今は)打ち取った球をアウトにとるという守備の鉄則をできている」とうなずいた。三浦監督も「一体感を持って全員が集中できているのが大きい」と評価した。日本シリーズまであと1勝、全員で勝ちきる。【小早川宗一郎】

▽DeNA中川颯(1点リードの5回から登板し、2回を無失点)「中11日空いてたので、少し不安な気持ちもありましたけど、とばさん(戸柱)がしっかりリードしてくれたので、信じてしっかり腕を振った」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【DeNA】5連勝導いた鉄壁の守り、リリーフも一体感を強調「凡事徹底」の精神が形に