巨人対DeNA 2回裏巨人2死二塁、門脇を三振に仕留め雄たけびを上げる大貫(撮影・横山健太)

<セ・CSファイナルステージ:巨人1-2DeNA>◇第2戦◇17日◇東京ドーム

勢いが止まらない。DeNAが「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ第2戦で巨人を下した。大貫晋一投手(30)が気迫の投球で6回2/3を5安打1失点と好投。今季最多の7三振を奪い、ロースコアゲームをもぎ取った。背中の違和感で9月に約1カ月、戦線離脱した右腕が復帰早々に大舞台で躍動。ファーストステージから破竹の4連勝に導いた。CSファイナルは巨人のアドバンテージの1勝を加えても2勝1敗とリード。17年以来の日本シリーズ進出まであと2勝、止まらずに突き進む。

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温厚な大貫が感情を爆発させた。1回、3者連続三振とこれ以上ない順調な立ち上がり。捕手の戸柱から「どうした? 出来過ぎちゃう?(笑い)」とイジられながらも、巨人打線を封じた。2回2死二塁では門脇を内角144キロ直球で見逃し三振。「一発勝負の戦いなので感情も出ますし、チームもすごく良い雰囲気なので、勢いがあるんじゃないかなと思ってます」。先制を許さず、チームの上向きの流れをつないだ。

理論派右腕の真価を見せた。データや数字の活用を推進するチームのスタイルの中でも随一の「データリテラシー」の高さ。ただ単に表向きの数字を真に受けるのではなく、自らの感覚と照らし合わせた上で、データの本質的な意味まで理解する。アナリスト出身の大原チーフ投手コーチも「今いる選手の中では一番データを読み解くのが上手」と評するほどだった。

実際に今季はキャンプ中からアナリストのデータを参考にツーシームを改良。「ピッチトンネル(打者がボールを振るか振らないか最終判断するホームベースの手前7メートル前後)を見て、アナリストの方やアドバイザーみたいな人に聞きながら、どういうボールが良いかを考えて取り組みたい」とキャンプ中から試行錯誤を重ねてきた。

この日も巨人打線の狙いを巧みに読み解いた。改良したツーシームにカットボール、スプリットを駆使して7回途中5安打1失点で今季最多の7奪三振。「新しくしたツーシームもすごく手応え感じますし、カットボールの使い方も今シーズンで成長したなと思います」と手応えを口にした。

エース東に加え、何度もバッテリーを組んできた伊藤も負傷離脱。台所事情が苦しく、重圧のかかる短期決戦の先発マウンドも「緊張感はありましたけど、こういう舞台で投げるために野球をやってる。幸せだなという思いが大きかったです」とかみしめた。日本シリーズ進出まであと2勝。大貫が渾身(こんしん)の投球でバトンをつないだ。【小早川宗一郎】

▽DeNA三浦監督(5安打1失点で1点差を守り切って巨人相手に2連勝)「全体で見ればよく守り切ったと思います」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【DeNA】戸柱イジる「出来過ぎちゃう?笑」大貫晋一7回途中1失点好投「ツーシーム手応え」