日本ハム対ロッテ 試合後、日本ハム山崎(手前)を祝福する新庄監督(撮影・江口和貴)

<パ・CSファーストステージ:日本ハム3-2ロッテ>◇第2戦◇13日◇エスコンフィールド

日本ハムが劇的なサヨナラ勝利で1勝1敗のタイに持ち込んだ。1点を追う9回1死、万波中正外野手(24)の左越えソロで同点に追い付き、延長10回2死一、三塁から浅間大基外野手(28)がロッテ沢村から右翼線にサヨナラ打を放った。

先発した金村尚真投手(24)は7回途中2失点と好投。2番手で河野竜生投手(26)が好リリーフし、8回からは山崎福也投手(32)がオリックス時代も通じてCS初登板。延長10回まで3回無安打無失点でCS初勝利を挙げた。

この日は試合前にも報道陣の前で話していた新庄剛志監督(52)の一問一答は以下の通り。

■試合前

「オリジナル。エスコンフィールド。かっこいいっしょ」(試合前練習で着用していたパーカーの説明)

-八木コーチ、森本コーチと新庄監督でデザインが違う。色違い?

「そうそうそう。なんかこう、かっこいいパーカーないかなって、いつも探しているから」

-今日に合わせたんですか

「昨日に合わせたんだけど、間に合わなくて。いつも俺、急だから(笑い)」

-八木さんが来ていて、選手に指を差されていた

「ちょっと俺、顔隠したいから(フードは)デカめがいいんです(笑い)」

-監督がデザインしたパーカーは、普通のデザインと違いますよね

「ここ(襟元は)ネックレスが出るぐらいの空きが欲しくて。ほんとはここに、もう1個タートルが欲しいんですよ。そしたらマスクがいらないでしょ。だいたい世の中では普段はこうやって(フードをかぶって)生活しているから。4人組が来たら、靴紐は1回外すんですよ(笑い)」

-だいぶ気持ちは切り替えられた

「いや、さっき査定の人と話をしていて、『監督、覚えていますか』と。2006年の日本シリーズ1戦目に負けた時に、みんながシュンとしていた時に『シュンとしてるの? 明日、明日、お前。勝って、勝って、勝って、勝ちまくるよ』っていうことを言っていたらしい。シュンとする暇はないわって。その気持ちと一緒ですね」

-連勝すればいい

「あがいても一緒ですよ。(2006年当時も)やるのは選手。俺が打てば、点が入るっていう気持ちではいましたけどね。ただ、難しさは…(監督となって選手たちの姿を)ベンチで見ていて『なんで、行かんの』って(笑い)。それは思うけど、この3年間で慣れはしましたけどね」

-選手たちも、そういう雰囲気になっているか

「(第1戦で)松本君にバントを出したはいいけど、俺が打席でバントってなると出来ん、出来ん(笑い)。だから、選手は結果が出なかったとか、もうこの試合では関係ないから」

-逆に結果出たら「おいしい」みたいな

「いやもう、ありがとうって。その選手を、まあまあ見てみて、短気決戦でキーポイントの選手を探すためには、まだ勝たないと分からないから」

-こういう経験できることが今後につながる

「もちろん、もちろん。経験できているし、ここまで成長しましたからね。追われる方がたぶんつらいと思います。追う方は楽です。マラソン大会でも、そうじゃないですか。先頭を走るときつい。2位で、そのレースのペース配分しながらね…そんな余裕ないけど(笑い)」

-でも、2連勝すればいい

「そう。今日勝てばね」

-エスコンの外でもライブビューイングでファンが応援している

「日本シリーズまで行って、もう1回ここでしたいですね、本当に。信頼して、やっていきます」

■試合後

「なんですか、このチームは(笑い)。感動させすぎでしょ。いや、びっくりした。いやもう誰がどうとかじゃないよ。もう今年を象徴する、この勝ち方。すごい。もうほんと選手すごい。くぅ~」

-何から聞いていいか分からない

「福也君…金村君がいいピッチングしてくれて、2点でなんとか抑えてくれて、ゲームつくってくれて。そっからの山崎君が、中に入れて、もう引っ張って引っ張って…当たりましたね」

-行けるところまでって感じだったんですか

「(延長は12回までだが)もう13回まで行こうと思って(笑い)。はい、信じました…へへッ」

-山崎投手も気合が入っていた

「こういう舞台を経験しているし、こういう場面が好きだろうし。いやぁ~すごいね(笑い)」

-1番でスタメン起用した松本剛選手も初回にヘッドスライディングで内野安打

「いや実は今年1年、4回、岸マネジャーにオーダーを組んでもらって4勝していたんですよ。で、今日最後かもしれないっていう(試合の)オーダーを岸マネジャーに頼んで」

-本当ですか

「本当、本当。これは、もうチームが1つになって、裏方さんも選手もスタッフも全員で、フロントも。全員で戦おうと思って。そしたらもう…ハッハッハ、当たりまくり(笑い)」

-清宮とレイエスの打順をつなげなかったのも岸マネジャー

「そう、岸マネジャー(笑い)。やっぱり何十年もファイターズにいて、全てを知っている人間なんで」

-この試合でオーダーを任せるのも勇気が要るのでは

「めちゃくちゃ勇気いったけどね(笑い)。これがもうね、チーム1つになるっていうところで。継投と代打とか交代は、もう(首脳陣)全員で。もうピッチングコーチ、、八木さん、谷内コーチ、森本稀哲コーチ、林ヘッド、山田さん、建山コーチも。全員で、どうしますかと。ああだこうだ言いながら、はい、行きましたね」

-9回に万波選手が同点弾を放った時は新庄監督もベンチを飛び出して喜んでいた

「もう飛んだ瞬間…なんか2分ぐらいかかった感じ(笑い)。ホームランの軌道が。ゆっくりすぎて。うわ、同点になったって。もう同点に持ってきたら、これはもう勢いはウチにあるから、このままね。同点じゃダメなんですよ。勝つっていうね」

-9回1死まで1点リードされていて、ダメかなと思うことは

「全然思わない。全然、思わない。もう最後の最後、ゲームセットがコールされるまでは、みんな諦めずに」

-これでチームのムードがガラッと変わって明日

「それはわからん(笑い)。それはわからん」

-でも、着実にムードは間違いなく良くなった

「もう勢いはね。もうその短期決戦とかどうこうじゃなく、今日みたいな形で自然体でね、選手たちがグラウンドで思いっきり。いつも言う、愉しんで、ね。もうここまで来たら愉しむことが一番。もうちっちゃい頃にね、公園とか野原で野球を日が暮れるまでやっているような感覚でね、やってもらえたらもう十分です」

-浅間選手は途中守備から出場させたが、打球が飛んできそうな予感があった

「やっぱり浅間君の方が守備力は高いし、捕ってから、(かつて)内野もいろいろやってきて、すごい素早い動きできるから。1点あげたらいけないっていう場面で、守備範囲の問題と守備力で代えて。あの代えたことによってね」

-最後は浅間が決める巡り合わせに

「なんか、ストーリー通り過ぎて、面白くはないかな(笑い)。そんなことはない?」

-7回ぐらいからファンの応援がすごかった。後押しになった

「めちゃくちゃなりました。今日一番でかかったんじゃないかな。この20年間で(笑い)」

-万波選手のホームランの時もファンの歓声はすごかった

「万波君のホームランの時も、コーチのほとんどが涙ぐんでね、すごかった。俺はもう…嘘やろって(笑い)。びっくりした方が強かったね」

-幸運球も投げまくっていた。7回くらいからですか

「7回ぐらいから。流れが変わったね…これのおかげじゃない、選手のおかげ(笑い)」

-明日の先発は

「北山君で」

-ブルペン陣は

「もう全員で行きますよ。山崎君、もう1回行ってもらおうかな(笑い)。いや、次の対戦があるんで、ちょっとその辺を考えながら」

-今日は中継ぎ陣も河野選手だけが登板。明日は総力戦でいける

「ね。いや、もうその辺はもう…もうその場その場で考えて、あとはバッターに対して…あのね、ロッテさんがちょっと(試合の)間が空いていたでしょ。間が空いた分、速い球にちょっとだけ差し込まれるかなって、金村君で行ったんすよ。で、金村君のボールを見せといて、山崎福也君の…ちょっとね、当たるかなって。良かったです。明日ね、ほんと今日みたいな…どっちかが勝つんですから、どっちかが負けるんですから。明日も超満員だと思うんで、悔いのない愉しいゲームを見せられたら、もう十分です。オッケー?」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】新庄監督「山崎君、もう1回行ってもらおうかな(笑い)」/一問一答