阪神対DeNA ベンチで厳しい表情を見せる岡田監督(中央)ら(撮影・上田博志)

<セ・CSファーストステージ:阪神1-3DeNA>◇第1戦◇12日◇甲子園

もう負けられない。セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが開幕。阪神はDeNAに敗れ、CSファーストステージ突破へ追い込まれた。打線が7安打を放つも1点止まり。先発才木浩人投手(25)を5回で代えて中継ぎを注ぎ込む勝負継投も実らなかった。阪神がCSファースト初戦に黒星を喫した過去6度はすべて敗退している。もう終わりなんて寂しすぎる。突破率0%の壁をぶち破るしかない。

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岡田監督は今年のリーグ戦で何度も見せた、あきれ顔を浮かべていた。「まあ、1年間の象徴、今年を象徴したゲームみたいなもんやな、はっきり言うて」。打線が反発力を見せられず、投手陣はハマの強打者たちに捉えられた。大一番でも同じ光景が繰り返されてしまった。

DeNA先発はエース左腕の東。今季リーグ戦から数えて6度目の対戦だった。しかし、直球に差し込まれ、変化球に翻弄(ほんろう)され、4回まで散発3安打。「そら、もうそんなん、1年間やって対策分かるやんか、何回当たってんのそんなん」。次々に打ち取られていった選手たちへのぼやきは止まらない。相手も6投手の継投となったが、佐藤輝が4打数無安打、3三振を喫すなど、4回から4イニング連続3者凡退。甲子園にもため息が充満した。

阪神先発の才木は本来の姿ではなく、5回1失点で降板。6回から2番手で投入したリリーフ桐敷を、回またぎのマウンドにも上げた。1イニング目は危なげなく3者凡退に仕留めたが、7回1死から牧、佐野に続けて初球を捉えられ1死一、三塁のピンチ。ここで代わった石井が、オースティン右翼へ適時二塁打を浴び、痛い2点を失った。

「佐野までにな、(走者が)1人くらい出ててもというのはあったけど」と想定していたが、長打がからんで痛恨の展開となった。この日、牧と佐野に連打を浴びたのは3度。「結局1年間、一緒のやつに打たれただけやんか。それだけのこと。1年間、全然、対策もできんかったっていうことよ、結局はな。そのままや」とノンストップのぼやきだ。

セ・リーグのCSファーストステージで初戦に勝ったチームは、突破率87・5%。阪神は初戦に黒星を喫した過去6度、すべて敗退となっている。立ちはだかる突破率0%の壁-。岡田虎がここで終わるわけにはいかない。2年連続日本一へ、必ず突破口を開ける。【磯綾乃】

▽阪神桐敷(6回から登板。回またぎとなった7回に1死一、三塁のピンチをつくり降板)「いい流れで大智さん(石井)につなぎたかったですけど、それができずに悔しい。また明日、同じような場面もあると思うので頑張りたい」

▽阪神石井(7回1死一、三塁で登板しオースティンに右中間への2点適時二塁打を浴びる)「すごく感触も良くて自分でも狙いにいけそうな球だったので完全な失投です。心理状態的に普通じゃないので、1回冷静になって、しっかり反省して明日に向けて頑張りたい」

▽阪神島本(8回に登板。1四球を与えながらも無安打無失点)「フォアボールはありましたけど、0で抑えられたので。(明日も)準備するだけです」

▽阪神岡留(3点ビハインドの9回を3者凡退で無失点)「(明日も)任せられたところをしっかり抑えて。チームの力になれるようにというだけですね」

▼阪神が手痛い初戦黒星を喫した。セ・リーグ過去16度のCSファーストステージで、第1戦を落としたチームのうち、ファイナルステージ進出は09年中日、17年DeNAの2度のみ。突破率12・5%の狭き門だ。

▼阪神が出場したCSファーストステージで、初戦●の場合は過去6度とも同ステージで敗退している。甲子園開催に限れば10年巨人戦、13年広島戦、21年巨人戦と3度あったが、いずれも第2戦も敗れ終了。ここから意地を見せ○○で突破なるか。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】岡田監督「何回当たってんの」東に次々に打ち取られていった選手たちへぼやき止まらず