1軍監督就任を受諾し大島オーナーと言葉を交わす井上監督(左)(撮影・森本幸一)

中日井上一樹新監督(53)の就任会見が10日、名古屋市内で行われた。会見前には大島宇一郎オーナー(60)から正式な就任要請を受け受諾。同オーナー、吉川球団社長とともに会見に出席した井上新監督は「勝つチームにならないといけない責務を肝に銘じながら、重大な責任を務め上げる不安はあるが、我慢と勇気と、チームを明るくする、自分の長所を出しながらいいチームを作れたらと思う」と、3年連続最下位からの巻き返しへの抱負を語った。

昨季、立浪前監督から要請を受け2軍監督に就任。ファームをウエスタン・リーグ優勝を争う位置へ引き上げた。前指揮官は現役時代から公私ともに親交が深い。「立浪監督が育てた原石、財産を中日以外の、立浪さんと絆が深くない人に持っていかれるより、自分がバトンをもらう形がスムーズ」。大先輩の遺産を継ぐことを使命として1軍監督就任受諾を決断した。

持ち前のコミュニケーション力を駆使するのが井上流。「個々の能力が仮に他のチームより劣っていても束になって底上げすることで、戦力も上がると信じている」と、最年長のベテラン大島から10代のドラフト新人までまとめ上げることには自信を持つ。「2軍の選手には『俺が好きな選手になれ』と言ってきた。もっとやりたい、上を目指したい気持ちがある選手が好き。2軍でできなかったことが1軍でできるはずがない。これは僕の口癖。僕も2軍で種をまいてきた。選手が育ってくれれば、活気づけるのかなとは思う」。11年以来、遠ざかるリーグ制覇へ、井上丸がチーム一丸を掲げ船出する。【伊東大介】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【中日】井上一樹新監督「自分がバトンもらう形」親交深い立浪監督が育てた原石、財産引き継ぐ