新潟対川崎F 試合に勝利し、サポーターと歓喜する新潟の選手たち(撮影・大島享也)

<YBCルヴァンカップ:新潟4-1川崎F>◇9日◇準決勝第1戦◇デンカビッグスワンスタジアム

アルビレックス新潟はホームで川崎フロンターレに4-1で先勝し、初の決勝進出へ大きく前進した。前半25分、左MF谷口海斗(29)がFW小野裕二(31)の右クロスをボレーで合わせ、先制。同45分には右MF太田修介(28)が追加点を奪った。後半5分にMF長谷川元希(25)、同9分にMF星雄次(32)が加点。4連敗中のリーグ戦で計15失点だった守備もDF稲村隼翔(22=東洋大4年)を中心に1失点で耐えた。攻守で「らしさ」が戻り、3点のリードを持って、第2戦(13日)が行われる敵地U等々力に乗り込む。

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新潟の攻撃に、躍動感が戻って来た。序盤から長短のパスを刻んで敵陣に進入すると、前半25分に谷口の右足ボレーで先制。同45分には、中央で相手をいなしたMF秋山裕紀(23)のスルーパスに「爆速シューター」太田が抜け出し、加点。2-0で折り返した後半も攻勢を緩めず、長谷川元、星が続いて点差を広げた。

直近のリーグ戦は4連敗中。攻守でダイナミックさに欠け、プレーに迷いが生じていた。それでも松橋力蔵監督(56)は試合前日、「自分たちの力で何かをこじ開けた瞬間、大きな光が見えてくる。そうなった時の彼らは、手がつけられない」。選手たちの覚醒を信じていた。

川崎Fには9月27日のリーグ戦で1-5と大敗。「また同じ状況が起こるんじゃないかという恐怖心は常に隣り合わせだが、チームというのは1つ、きっかけがあれば一瞬で変わるものだと思っている」と話した同監督は、先発5人を変更。リーグ4戦で計15失点と崩れた試合では前線と後方の選手間の距離が間延びしたところを突かれる形で失点を繰り返していたため、陣形をコンパクトに保って対応。ボールを奪われた後の帰陣の意識を高め、相手の攻撃を食い止めた。

CBでは特別指定選手の稲村が先発フル出場した。4バックの中央でDF舞行龍ジェームズ(36)とコンビを組み先勝に貢献。左足からのフィードで攻撃の組み立てにも加わった。

クラブ初の決勝進出に3点のリードを持って臨む敵地での13日第2戦。指揮官は「アドバンテージと思ったら危ない。リーグ戦で1-5でやられている。2点足りない。ステージに関係なく、その悔しさを晴らすための準備をする」。今季開幕前に掲げた「てっぺん(優勝)」への戦い。次も勝って、ファイナルに必ず進む。【小林忠】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ルヴァン杯】新潟が川崎Fに4発快勝も松橋力蔵監督「リーグ戦のリベンジ終わっていない」