シート打撃を見守る阪神岡田監督(撮影・前岡正明)

今季限りでの退任が発表されていた阪神岡田彰布監督(66)が7日、報道陣に向けて初めて自身の去就について口を開いた。「いやあ、別に何にもないよ」と泰然自若の心境で、5日ぶりの肉声となった。2年連続の日本一を目指すポストシーズンへ「2年間の集大成やんか」と宣言。来季監督の打診を内諾しているとみられる阪神OBの藤川球児氏(44=球団本部付スペシャルアシスタント、SA)へバトンを渡す前に、育ててきたチームと日本一という大団円を迎えたい。

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岡田監督は達観していた。試合後の囲み取材に答えるように、変わらぬ口調で心境を口にした。「いやあ、別に何にもないよ、そんな。もう別にいらんことしてもしゃあないから」。前日6日に今季限りでの退任が発表され、自らの去就について初めて言及。2日の全体練習で取材に応じて以来、5日ぶりの肉声だった。

当初はリーグ最終戦のDeNA戦が行われた3日に、選手たちに伝えるつもりだったという。「俺は横浜で言おうと思ったけど、選手もいてなかったからな、おーん。居残りがおったしな、全員集まるのは昨日しかなかったから」。1軍選手、スタッフら全員が集まった6日の練習前に、自らの口で思いを伝えた。

2年連続の日本一を目指す道のりが、岡田阪神の最後の戦い。指揮官は言葉に力を込めた。「2年間のな、集大成やんか、最後のゲームの」。球団初のセ・リーグ連覇こそならなかったが、最後はまた頂点に立ちたい。

成長を感じているかと問われ「いやあ、成長はしてないよ。成長してたら勝ってるよ」と手厳しく笑ったが、一方で信頼もある。「何も言うてないよ、そんなん当然。もうプレーボールかかったら、みんなやること分かってるやん。こうせえ、こうせえとか、そんなこと一切ないよ。出来んかったら負けるだけや」。昨季15年ぶりに阪神の監督に復帰。2年間で積み上げてきた証しを、ナインとともに表現する。

この日は実戦感覚を養うためシート打撃を実施した。岡田監督はケージ裏に置いた椅子に座り、選手たちをどっしりと見守った。まずは12日からのCSファーストステージで、DeNAを本拠地で迎え撃つ。「その日のゲームを勝っていくだけよ」。白星を積み重ねた先に、最高の集大成が待っている。【磯綾乃】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】岡田監督が退任に初言及「もう別にいらんことしてもしゃあない」日本一への戦いは集大成