ゴール裏スタンドで興奮するAマドリードサポーター(ロイター)

<スペインリーグ:Aマドリード1-1Rマドリード>◇29日(日本時間30日)◇シビタス・メトロポリターノ

【マドリード=高橋智行通信員】スペインリーグで175回目となったマドリード・ダービーは、大荒れとなった。

後半19分にレアル・マドリードFWビニシウスが先制点を挙げた後、アトレチコ・マドリードのサポーターが危険な行為に及んだ。

南側ゴール裏に陣取る熱狂的な「ウルトラス」は、RマドリードGKクルトワ目掛けてさまざまな物を投げ込んだ。

ブスケツ・フェレール主審はAマドリードのシメオネ監督、Rマドリードのアンチェロッティの両監督と話し、後半24分過ぎに試合中断を決断。選手たちにロッカールームに下がるように命じた。その後もゴール裏のウルトラスの興奮状態が収まらず、Aマドリードの選手たちが落ち着くようになだめに行っていた。

試合後の会見でシメオネ監督はサポーターの行動について質問されると、こう話した。

「あのような事件を起こした人たちに対しては、クラブが決断を下さなければならないだろう。クラブやチームのことを考えない人間は必要ない。必要なのは我々と一緒に歩み、応援してくれる人たちだ。起こったことを正当化するわけではないが、人は何らかの理由があって反応するものだ。私は挑発した者も罰する必要があると思う。ライターを投げた者は制裁を受けるべきだし、挑発した者も制裁を受けるべきだ」

「挑発した者」と発言。そこでクルトワに挑発されたと思うか? と質問されると過去の記憶を口にした。

「これはベルナベウで彼(クルトワ)に起こった出来事だ。Aマドリードでプレーしていた時、ライターを頭にぶつけられたことがあった。そんなことは起こってはいけないし、クラブはそうならないようにすべきだ。しかし被害者である我々も気をつけなければいけない。もし相手を刺激すれば、その反動があるからだ。シメオネ、クルトワ、ビニシウス、メッシ、グリーズマンなど誰であっても、相手を挑発してはダメだ」

一方のアンチェロッティ監督は、試合を中断させた主審の判断をたたえた。「措置は正しかったと思う。試合は中断されるべきだったし、我々はロッカールームでいくつかのことを修正して再開した。そんなことは間違いなく誰もが好きではないし、誰もがプレーすることを望んでいるが、主審はうまく対処した」。

そしてAマドリード側への処分について問われると「私は単に監督なので、サッカー面のことだけをコントロールしなければならない。私よりも詳しい専門家が正しい決定を下してくれるだろう」とコメントするにとどめた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 荒れたダービー、クルトワが挑発?シメオネ監督「彼はベルナベウでライターを頭にぶつけられた」