広島対町田 前半、広島パシエンシアは先制ゴールを決める(撮影・上田博志)

<明治安田J1:広島2-0町田>◇第32節◇28日◇エディオン・ピーススタジアム

首位サンフレッチェ広島が、2位FC町田ゼルビアとの天王山を2-0と制した。同勝ち点同士の一騎打ちで、前半早々に元ポルトガル代表FWゴンサロ・パシエンシア(30)とFW加藤陸次樹(27)がゴールを決め、日本代表GK大迫敬介(25)を中心とした守備も光った。町田に対して唯一の「シーズンダブル(2連勝)」を達成。10試合無敗となり、2015年以来の優勝へ1歩前進した。

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注目の矛盾対決は、広島の攻撃力が勝った。勝負を決めたのは立ち上がりのクロス2本だった。どちらも素早いリスタートを起点に、右サイドから中野が鋭く入れたもの。前半3分にDF昌子とドレシェビッチの間にFWパシエンシアが飛び込みワンタッチでゴール。同23分にはFW加藤がニアサイドへ入り、左足でワンタッチ。堅守が持ち味とする相手の急所を突いた。

スキッベ監督は「前半の最初がうまくいった。いい形でいいサッカーができたし、得点に至るプロセスが良かった」。指揮を執って3季目。過去2季は3位だったが、ハイプレスから素早くサイドへ回し、ゴール前へクロスを送るスタイルが浸透。初昇格ながら今季J1を席巻している町田はこう攻略しろ、と言わんばかりに手本を示した。

守っても堅守を披露した大迫を中心に、35歳のベテランMF塩谷らが体を張った。オセフン、相馬、藤尾、デューク、エリキと町田が誇るFW陣を封じた。2万6655人で埋まった本拠地Eピースのファンからは大歓声を浴びた。パシエンシアは「サポーターの応援が疲れてきた時に後押ししてくれる」と感謝した。

今夏は主力の流出というピンチが続いた。MF川村がオーストリア1部ザルツブルクへ、FW大橋もイングランド2部ブラックバーンへと移籍。チームも一時は7位まで後退した。しかし経験豊富な選手の獲得でカバー。スタンダール・リエージュからMF川辺が復帰し、加えて欧州の第一線で活躍した33歳のMFトルガイ・アルスラン、FWパシエンシアが加わり、選手層はむしろ分厚くなった。

アジア・チャンピオンズリーグも加わる過密日程だが、指揮官は力強く「今日取ったリードというのは安定して守っていきたい。町田も神戸もいいチームなので、ここからの6試合は集中して戦っていく」。優勝に向けて視界が開けた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【広島】2位町田との天王山を2-0で制し「シーズンダブル」達成 15年以来の優勝へ1歩前進