新潟医療福祉大対北陸大 1-1の後半32分、PKで勝ち越し点を奪う新潟医療福祉大・吉田(左)(撮影・小林忠)

<北信越大学サッカーリーグ1部:新潟医療福祉大2-1北陸大>◇28日◇第11節◇HUHW FOOTBALL FIELD

全勝で首位を独走する新潟医療福祉大が4位北陸大に2-1で逆転勝ちし、リーグ戦3試合を残して8連覇に王手をかけた。先制を許した直後の後半8分、主将のDF秋元琉星(4年、J2群馬内定)が右CKを頭で合わせ同点とすると、1-1の同32分、得点ランクトップのFW吉田晃盛(3年)がPKを冷静に沈めて勝ち越した。

準優勝した夏の総理大臣杯後、初の公式戦。吉田は冷静だった。1-1の後半32分、途中投入の森がペナルティーエリア内で倒されて得たPKで、キッカーに名乗り出た。

筑波大との総理大臣杯準決勝(12日)のPK戦(5-4)で吉田がキックを失敗したことを知る相手は「大臣杯でPKミスってるぞ」とあおったが、逆にそれが力になった。

「決めて(相手に)どうですか? と。気にならなかった」。ゆっくりとした助走から右足を強振。右を狙ったシュートが大きくゴールネットを揺らした後は相手を横目に「しゃっっ!!」と雄たけびを上げた。

得点ランク首位を独走する16点目を決めたストライカーは残り3試合で「20得点を目指す」と宣言。チームも2位新潟経大に勝ち点9差をつけ、得失点差でも大差をつけているため、リーグ8連覇はほぼ確実となった。それでも「他のチームの成績は考えない。次もしっかりと勝って、まずは優勝を決める」と言い切った。

阪南大(大阪)との総理大臣杯決勝から先発3人を変更し、システムも4-1-4-1ではなく4-2-3-1をテスト。司令塔のMF松本天夢(4年、J2長崎内定)をけがで欠いた中、前半はチャンスを作り出せなかった。

後半も先に失点。攻守で精彩を欠いたが、直後の同8分、秋元が右CKをヘディングでたたき込み、チームに勢いをつけた。「難しい展開になることは予想していた。こういうゲームを勝ち切れたことポジティブに捉え、前に進んでいきたい」と秋元は冷静だった。

中盤まで相手の徹底した守備に苦しんだものの、秋元の得点後は、途中投入でボランチに入ったMF向井俊貴(2年)を経由しながらゲームの流れを変えた。両ウイングのMF森駿人とMF若林来希(ともに1年)も、個人技で好機を広げた。

引き分け以上で8連覇が決まる次節10月5日もホームで新潟産大と対戦する。秋元は「残り3試合。全勝での完全優勝を狙う」とキッパリ。総理大臣杯準V枠で出場するインカレまで残り約2カ月となり、最前線で攻撃をけん引する吉田は「このままではだめ。この日に出た課題を練習と公式戦で改善しながら、ゴールに到達するまでの形、個の力を伸ばしていきたい」と力を込めた。【小林忠】

○…後半7分から途中投入された左利きのMF向井俊貴(2年)が、攻撃にリズムをつくった。リーグ戦2試合目の出場となった身長182センチの大型ボランチは長短のパスを広角に散らし、同時投入された両翼の森、若林とゲームの流れを変えた。守備でも高さを生かしたハイボール処理と走力、こぼれ球への反応で存在感を発揮。総理大臣杯はメンバー入りも出場なしに終わっただけに「冬のインカレで試合に絡めるよう、リーグ残り3試合でインパクトを残したい」。卓越したパスセンスで定位置奪取を狙う。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 新潟医療福祉大FW吉田晃盛が得点ランク独走の16得点目 11戦全勝でリーグ8連覇に王手