練習で選手に指示を出す新潟L・橋川監督(左)(撮影・小林忠)

WEリーグ参入後初の開幕連勝をつかみ取る。アルビレックス新潟レディース(L)は20日、ホーム開幕となるセレッソ大阪ヤンマー戦に向け、クラブハウスのある聖籠町で前日調整。開始約50分で突然、雨が強まり打ち切りとなったが、橋川和晃監督(53)は短時間でのチームの取り組みを高く評価した。試合会場は02年W杯日韓大会でクロアチア代表が事前合宿を行った十日町市当間多目的グラウンド。MF川澄奈穂美主将(38)が地元ファンと共闘を誓った。

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ウオーミングアップで体を温め、11対11のミニゲーム1本目が終わった瞬間だった。主将の川澄が「もう夕方になったのかな? と思うぐらい急に暗くなった」と苦笑いしたように天気が一変。練習場近くの東新潟火力発電所の煙突4本が見えなくなるほどの激しい雨。午前9時ごろからの最終調整は約50分で中止となった。「雨予報だったので、アップから体に負荷をかけたメニューだった。コンディション面は心配ない」。雷も鳴り始め、選手たちは急いでクラブハウスに引き揚げた。

今節は十日町市でWEリーグ参入後、初の公式戦開催となる。練習拠点の聖籠町から約135キロ離れた位置。選手はほぼ敵地遠征と変わらない距離を移動する。だが、川澄は「来てくれる地元の方々に、また『見たい』と思ってくれるような内容、試合にしたい」。初めて試合を見るサポーターも引きつけるようなプレーで結果を導くつもりだ。

リーグ開幕戦の15日アウェー長野戦(2〇1)は、後半44分に途中出場の高卒ルーキーFW那須野陽向(18)がプロ初得点。競り勝ち、好スタートを切った。雨でぬかるんだピッチに手を焼いたが、橋川監督は「相手の土俵のゲームだったけど、それでも勝てたことは大きかったね。次(21日)も雨予報だけど、俺、雨の日の勝率は高いよ」とニヤリと笑った。「勝利の神様は細部に宿る」という勝負哲学を持つ。この日も豪雨を予想して、「セットプレーの確認は昨日(19日)行った。1週間、いいサイクルで練習は出来ている」とうなずいた。

対戦相手のC大阪ヤンマーも開幕連勝を狙う好チームだが、勝利を譲る気はない。「人にガンガン来る相手の矢印を折り、多くのチャンスをつくりたい」とゴールへの道筋をイメージした。【小林忠】

○…MF滝川結女(25)が姪っ子の前で2試合連続ゴールを狙う。前節長野戦は前半15分、角度のないところから右足で先制点を決めた。「今までだったらマイナスで待つ味方にパスを折り返していたと思う。次も積極的に攻撃に絡む」。今節は兄家族が三重から来場し、2歳の姪っ子と手をつないでピッチに入場する予定。「人見知りする年齢で泣かれないか心配(笑い)。いいところを見せたい」と決意した。

◆十日町市当間多目的グラウンド 02年W杯日韓大会でクロアチア代表が事前合宿実施。愛称は「クロアチアピッチ」。今節はホームのデンカビッグスワンスタジアム(新潟市)と、芝生改修工事中の新潟市陸上競技場が使用できないため十日町市開催に。新潟Lの公式戦開催は、なでしこリーグ1部時代の20年10月11日ノジマ相模原戦(1○0)以来、約4年ぶり。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【WEリーグ】新潟レディース川澄奈穂美主将が大雨で前日練習打ち切りも連勝発進へ「心配ない」