CLデビューしたチェイス・アンリ(手前、45)(ロイター)

<UEFA(欧州)チャンピオンズリーグ:Rマドリード3-1シュツットガルト>◇17日◇マドリード◇1次リーグ第1節

【マドリード17日=高橋智行通信員】シュツットガルト(ドイツ)のDFチェイス・アンリ(20)が敵地Rマドリード戦で欧州CLデビューを果たした。20歳5カ月24日でのデビューは日本選手で2番目の年少記録。福島・尚志高から渡独して3年目で世界最高峰の舞台に立った。本職のセンターバックではなく右サイドバックで後半途中から出場し、相手のキーマン、ブラジル代表FWビニシウス(24)と対峙(たいじ)。試合は1-3で敗れた。

アンリは後半18分に出番が訪れた。相手はスター軍団のRマドリード。特に屈指のドリブラー、ビニシウスとのマッチアップは強烈だった。後半21分に1対1でぶち抜かれ「めちゃくちゃ速くて。初見であれは無理だね。分かってても『え、消えたんだけど』となった。最初はマジでビビった」。それでも終盤にはライン際で止めるなど、高い修正力をみせた。「レアルの選手は自信持ってやっていた。本当にもっと頑張らないといけないなと思いましたね」と成長の糧にする。 本格的にサッカーを始めてわずか8年で欧州CLのピッチにたどり着いた。長沢中で1年からサッカー部に入り、尚志高を経て、22年にシュツットガルトへ加入。セカンドチームでのプレーが続いたが、今季からトップ昇格し、リーグ戦初出場を果たした。勢いそのままに迎えた欧州CL。20歳5カ月での出場は、宇佐美貴史(バイエルン・ミュンヘン)の19歳7カ月に次ぐ日本人年少記録となった。

誰もが認める才能の一方で粗削りな一面も拭えなかった。対人の強さやヘディングはピカイチだが、足元の技術などは課題だった。高校時代から世代別代表の常連で、22年にはA代表のトレーニングパートナーを務めたが、パリ五輪メンバーからは漏れた。ただ落ち込むこと無く、武器の強心臓ではい上がった。

欧州デビューをただの経験では終わらせない。昨季まで同僚だった日本代表DF伊藤洋輝がバイエルン・ミュンヘンへ移籍したように、欧州トップに近い環境にいることは確かだ。「もっと頑張って、こういう選手になれるように…なります」。大器の伸び代は無限大だ。

◆チェイス・アンリ。2004年(平16)3月24日生まれ、神奈川・横須賀市出身。元軍人の米国人の父と日本人の母の間に生まれる。3~12歳まで米テキサスで過ごした。横須賀・長沢中1年時にサッカー部で本格的に競技を始め、同中3年時の冬にFC湘南ジュニアユースで数カ月間プレー。19年に尚志入学。好きな選手はリバプールDFファン・ダイク。好きな食べ物は肉。188センチ、81キロ。血液型A。家族は両親、姉、兄、弟。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【欧州CL】日本選手2番目年少出場のチェイス・アンリ「レアルの選手は自信持ってやっていた」