札幌対東京V 後半、ゴールを決めチームメートと喜び合う東京V山田(中央)(撮影・佐藤翔太)

<明治安田J1:札幌0-2東京V>◇14日◇第30節◇大和ハウスプレミストドーム

東京ヴェルディが今季初の3連勝を飾り、6位に浮上した。

アウェーで札幌にボールを握られたが、粘り強く戦い、後半に試合を動かした。

後半9分、MF齋藤功佑がペナルティーエリア内左のFW山見大登へパスを通す。山見が中央へ折り返したところ札幌DF岡村大八、GK菅野孝憲に当たってこぼれた。これを拾ったMF山田楓喜が冷静に相手の動きを外し、左足でゴールへ蹴り込んだ。

後半35分にはFW染野唯月が自陣で札幌MF菅大輝のボールをカットし、素早く前方のFW木村勇大へパス。木村がドリブルで持ち込み、相手をかわし、右足で豪快にゴールネットを揺らした。追加点か、と思われたが、VARチェックが介入。染野がパスを出した後、並走する菅の肩を手で引っ張り倒すファウルが確認され、ノーゴールとなった。

チーム全体で懸命に守る中、アディショナルタイムは7分。追加点を奪うチャンスをものにできず、最少得点差でゲームは進んだ。しかしラストプレーの後半52分、カウンター攻撃を仕掛けた。途中出場のMF松村優太からパスを受けたMFチアゴ・アウベスがGKと1対1となる中、冷静に相手の動きを見極め、ゴール左隅に流し込んだ。

2-0とし、勝利を手にした。

城福監督は「前半少しボールを持たれることが多かったが、ただ最終ラインのところは決定機を作らせなかった。そこをゼロで抑えられたのは大きかったし、後半はこちらの展開になると分かっていた」と狙い通りの試合内容だったと振り返った。

トレーニングから繰り返し積み上げてきた「ボールに絡むコンビネーション」がこの試合でも随所に出た。「のみ込まれることなく、走り切る。自分たちのブレない戦い方を出せた。アンカー使って、辛抱強く展開していくこと。選手たちがやり遂げてくれた」と納得した。

チームの主力は鹿島や京都、G大阪などレンタル移籍組が多く、ベストメンバーを組めない試合が多い。それでも誰かが欠けても、新たな選手が活躍し、チーム総力で勝ち点を積み上げてきた。「チームの競争力につながったし、そこがプラスに働いている」と城福監督は言う。

30試合を終えて勝ち点を44に伸ばし、6位へ浮上。16年ぶりのJ1を戦うヴェルディは8試合を残し、今季の目標としてきた「J1残留」はほぼ確実になった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【東京V】山田楓喜、チアゴ弾で今季初3連勝で6位浮上 城福監督「チームの競争力がプラスに」