サッカー日本代表(2024年9月5日撮影)

【リファー(バーレーン)9日=佐藤隆志】サッカー日本代表(FIFAランキング18位)が、超攻撃的3バックで2連勝を狙う。

W杯北中米大会アジア最終予選C組の第2戦で、バーレーン(同80位)と10日(日本時間11日午前1時)に対戦。5日の中国戦では3-4-2-1の布陣が大当たりし、最終予選史上最多の7ゴールを奪取した。2年後のW杯につながる新布陣に森保一監督(56)は手応えを感じており、バーレーン戦でも再び3バック戦術が猛威を振るいそうだ。

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日本の3バック戦術が今回の活動で花開いた。大事な最終予選初戦で攻撃力が爆発。シュート数17本対1本の通り、中国を完膚なきまでにたたきのめした。バーレーン戦に向けて主力選手たちの手応えは上々だ。右シャドーでフル出場し、1得点2アシストのMF久保は「中に入れて、外で張ってといろんなところで自由を与えてもらえてやりやすい。今の第1のオプションは3バックじゃないかな」と口にする。

1月のアジア杯で引いて守る相手を崩せず、逆にロングボールから失点する場面が目立った。2列目のアタッカーに久保、三笘、伊東、堂安、前田、鎌田、南野、浅野、中村。余りある攻撃のタレントを抱えながら攻守のちぐはぐさ。DFラインを3枚に絞り、両サイドにウイングバックを置き、1トップの後方に2シャドーを配した。攻撃力という強みを押し出す並びにシフトチェンジ。狙いは攻撃の「厚み」だった。

6月の2次予選ミャンマー、シリア戦(ともに5-0)から手を付けた。狭い空間を2人の連係で崩せる久保と堂安のレフテイーを右サイドで共存させて相手を翻弄(ほんろう)。左ウイングには単騎勝負ができる三笘が縦に仕掛ける。そこへ伊東、前田、中村、浅野という先発でも途中からでも違いを出せる「ヤリ」たちも控える。90分の中に多彩な組み合わせを多く持たせることで起きる化学反応。局面打開力は以前よりも強まった。

中国、バーレーンもオーソドックスな4-4-2布陣も日本にとってはかみ合わせがいい。3-4-2-1の並びは構造的に相手との立ち位置がズレてくる。そこへサイドアタッカーが幅を取り、小回りの利く南野、鎌田らがギャップを突いてゴール前へと進入。この動きのダイナミズムが攻撃の厚みとなっている。

時間に限りある代表活動だが、今回はチャーター便を飛ばして欧州からいち早く帰国。森保監督は「今までは集合がバラバラになってコンディション重視で、(戦術は)ミーティングでのイメージ共有で終わっていた。今回はピッチ上でもしっかり確認できた」。中国のイバンコビッチ監督が「ワールドクラス」と脱帽した攻撃力。2年後のW杯を見据え、最終予選を通じて磨きをかけていく。

◆森保ジャパンの3バック 初めて試したのは就任15戦目だった19年6月5日の国際親善試合トリニダード・トバゴ戦(0-0)。当時のウイングバック(WB)は右が酒井、左が長友とサイドバックが本職のDF2人が務めた。以降、第1次政権は8試合を3バックでスタートし、22年W杯カタール大会でスペインを撃破。第2次政権では今年6月のW杯アジア2次予選から本格的に着手し、より攻撃的な選手がWBに。最終予選初戦の中国戦では右が堂安、左が三笘とアタッカーの2人が先発した。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本代表】超攻撃的3バックで連勝発進狙う 狙いはタレント生かす攻撃の厚み