練習を終えファンの声援に手を振り応える三笘(撮影・垰建太)

腰痛で離脱していたサッカー日本代表MF三笘薫(27=ブライトン)がたくましくなって戻ってきた。日本代表は2日、千葉市内で、W杯アジア最終予選中国戦(5日、埼玉ス)、バーレーン戦(10日、バーレーン)に向けて始動。1~2月のアジア杯カタール大会以来、7カ月ぶりに代表に合流した三笘は過去に厳しい戦いを強いられてきたアジア最終予選に向けて主軸としてチームを引っ張る覚悟を示した。この日は海外組を含めて16人が集結。3日早朝までに27人全員がそろう予定。

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三笘の言葉にリーダーの自覚がにじんだ。「前回とは役割も立ち位置も違う。よりチームを引っ張らないといけないシチュエーションにはなっているので、ピッチ内外でやっていかないと」。前回W杯カタール大会では最終予選途中の21年11月シリーズに初代表を経験。予選を通じて終盤から出てドリブルで切り裂く「ジョーカー」のような役割が主だったが、今やチームの「顔」。左サイドの1番手としての責務を果たしていく。

前回大会の経験を継承する責任も口にした。「2次予選とは違う雰囲気の中でやっていく。前回を少しは経験しているので、しっかりと後輩に雰囲気を伝えていかないといけない」と力強く語った。

久々の代表活動だ。腰の負傷で3、6月の活動には参加できなかった。この日は週末の試合と長距離移動を考慮して室内調整に終始したが「雰囲気は良い。コンディションが1人1人バラバラなので、まずはしっかりと全員が整えることが大事」とかみしめた。

三笘不在期間、左サイドはMF中村が台頭し、チームも攻撃的な3バックにチャレンジするなど戦術的な幅が広がった。「最終予選にすごくメリットのある素晴らしい試合ができていたので、そこに自分が加わって、どれだけ変化を加えられるかなという風には見てました」とイメージを膨らませながらリハビリに集中した。

今季はプレミアリーグの開幕から3試合で1得点1アシストと好調を維持。最高の状態で代表に戻ってきた。最終予選初戦は過去2大会連続で落としている「鬼門」。「競争はあると思いますし、その中で試合に出れば、本当に勝たないといけない試合なので、ゴール、アシスト、守備のところでもしっかりと貢献して勝てれば」。8大会連続のW杯出場へ、チームをけん引する思いは強い。【佐藤成】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本代表】三笘薫リーダーの自覚「後輩に雰囲気を伝えていかないと」前回W杯予選の経験継承