レアル・ソシエダード久保建英(2024年撮影)

<スペインリーグ:Rソシエダード1-2アラベス>◇28日◇第3節◇サンセバスチャン

レアル・ソシエダードの日本代表MF久保建英(23)がアラベス戦にフル出場し、先制点の起点となった。しかし退場者を出して10人で戦った数的不利も影響し、1-2と逆転負けを喫した。久保は執拗(しつよう)なファウルを受け続け、最後は怒りを爆発させた。

試合は序盤から球際の激しい攻防が繰り広げられた。前半26分にスローインを受けたFWオヤルサバルがボールを奪いにきた相手選手と互いの足をぶつけ合う形で倒れた。VARチェックの結果、タックルを受けた側のオヤルサバルがレッドカードとなり、同29分に退場となった。想定外の展開となった。

それでも1人少ないRソシエダードが前半33分に先制点を挙げた。相手のクリアボールを拾った久保がドリブルで前へボールを運ぶ。3人に囲まれながらMFスビメンディにつなぎ、左サイドのMFセルヒオ・ゴメスを経由してゴール前へクロスボールが入った。そこへ走り込んだMFブライス・メンデスが左足で押し込み、ゴールが生まれた。

さらにアディショナルタイムの前半47分。右サイドで久保が前方へ絶妙のスルーパスを通した。受けたベッカーが抜け出しGKと1対1となるが、シュートはゴール右のサイドネットへと外れた。決まれば久保のアシストとなる場面だった。

1点のリードは長く続かなかった。前半48分には相手CKでゴール前の激しいポジション取りの中、DFスベルディアが相手選手のユニホームをつかんで引き倒してしまい、PKを献上。同51分、これをアラベスFWビジャリブレに決められ、1-1の同点とされた。6分に及ぶアディショナルタイムを経て前半を終えた。

久保は前節のエスパニョール戦はベンチスタートとなり、途中出場から決勝ゴールを決めた。だが先発落ちへの不満から笑顔を見せずに仲間の祝福を次々と振り払い、両耳に手を当てるゴールパフォーマンス。試合後、この行為に至る理由を本人が話さなかったため、さまざまな憶測が飛び交い、物議を醸した。

しかし、その後「適切なものではなかった」とチームに謝罪。アルグアシル監督に向けたものではなかったと誤解を打ち消していた。

後半も激しい攻防が続いた。前半から厳しいチェックを受けた久保は、後半16分にドリブルからパスを通した後に相手選手と激突し、ピッチに倒れた。その後もドリブルで縦に持ちこむたびにユニホームを引っ張られるなどのファウルを受けた。

同28分にはカウンターからアラベスFWトニ・マルティネスに決定的なシュートを打たれたが、GKレミロが指でコースを変え、右ポストに当たって外れた。しかし同32分、再びゴール前でこぼれ球を拾ったトニ・マルティネスが右足でゴール。1-2と勝ち越しを許した。

アディショナルタイムの後半52分、右サイドをドリブルで突破しようとした久保は再びユニホームを引っ張られてファウル。フラストレーションから怒りをあらわにした。このまま1点を返せず敗れた。試合終了直後、久保は主審に詰め寄り、相手が執拗に手を使って止めた行為について猛抗議した。

開幕戦に続きホームで敗れ、チームは3節を終えて1勝2敗となった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 久保建英、先制点の起点も逆転負け、不可解な味方レッド、相手の執拗なファウルに主審に猛抗議