東京V時代のF藤本寛也(2020年撮影)

<ポルトガル1部リーグ:ジル・ビセンテ4-2AVS>◇第2節◇16日◇バルセロス

ジル・ビセンテのMF藤本寛也(25)が、今季のホーム開幕戦となったAVS戦で自身初のハットトリックを達成した。

1-1の前半42分にこぼれ球を左足で流し込むと、2-2の後半49分にPKで勝ち越し点。その2分後にも相手DFの背後へ抜け出し、左足で追加点を決めてチームを4-2の勝利に導いた。

ポルトガル1部リーグで、日本選手のハットトリックは初。ポルトガル・メディアの「A BOLA」は藤本を「チームの心臓」とし「背番号10はその上品なプレーで、チームにとって極めて重要な存在であることを再確認させた。彼がいないと、ジル・ビセンテはリズムを失ってしまう」と評価した。

藤本は20年に東京ヴェルディからジル・ビセンテに移籍し、今季が5季目。背番号10として昨季も開幕戦となったホームのポルティモネンセ戦で2ゴールを挙げるなど、リーグ戦33試合に出場して3得点7アシストの成績を残した。主将も務め、チームに欠かせない存在になっている。

■欧州各リーグの主な日本選手のハットトリック

数多くの日本選手がプレーするベルギー1部リーグでは過去に2人が達成。オイペンのFW豊川雄太(現京都)が17-18年に初めて達成し、21-22年にはサンジロワーズのMF三笘薫(現ブライトン)が21年10月16日のスラン戦で途中出場から3ゴール。その直後に日本代表にも初選出され、さらなる飛躍を遂げた。

イングランドではフラムのMF稲本潤一が02年8月27日のインタートト杯ボローニャ戦でハットトリックを達成したが、プレミアリーグに限れば、MF香川真司(現C大阪)が唯一の達成者。マンチェスター・ユナイテッド時代の13年3月2日のノリッジ戦で、イングランド代表FWルーニーらと連係して3ゴールをマークした。

ドイツ・ブンデスリーガではFW高原直泰がアイントラハト・フランクフルト時代の06-07年に初めて記録。15-16年にマインツのFW武藤嘉紀(現神戸)が2人目の達成者となり、イングランド、ドイツ、スペイン、フランス、イタリアの欧州5大リーグでは香川、高原、武藤の3人だけとなっている。

その他の主要1部リーグを見ると、スコットランド1部でセルティックのMF中村俊輔とFW古橋亨梧、オーストリア1部でザルツブルクのMF南野拓実(現モナコ)、セルビア1部でパルチザンのFW浅野拓磨(現マジョルカ)、デンマーク1部では今年3月にブレンビーのFW鈴木唯人が達成した。

欧州リーグ(EL)ではザルツブルク時代の18-19年にMF南野拓実、EフランクフルトのMF鎌田大地(現クリスタルパレス)が19-20年に記録しているが、欧州チャンピオンズリーグ(CL)での日本選手のハットトリックはまだない。【石川秀和】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【データが語る】藤本寛也がポルトガル1部で日本選手初3発 欧州各リーグのハット達成リスト