幻の同点ゴールを決めた細谷真大(AP)

<パリオリンピック(五輪):サッカー・日本0-3スペイン>◇2日◇男子準々決勝◇リヨン競技場

D組を3連勝で首位通過したサッカー男子が準々決勝でC組2位のスペインに0-3で敗れ、8強で散った。前回東京大会の準決勝で敗れた相手にリベンジはならなかった。

大岩剛監督(52)は初戦の先発メンバーに、負傷したMF平河悠(23=ブリストル・シティー)とMF山田楓喜(23=東京ヴェルディ)を入れ替えた11人をスタメンに送り出した。

前半11分、試合が動く。自陣でボールを奪われると、ペナルティーエリア外から相手11番フェルミン・ロペス(21=バルセロナ)に強烈な左ミドルを決められた。日本は今大会初失点で初めてリードを奪われる展開となった。

しかし慌てない日本はペースをつかんでいく。積極的な守備で相手のボール回しを遮断し、攻撃時は落ち着いて相手のプレスをかいくぐって攻め込んだ。日本が支配する形で試合が展開していった。

同30分ごろからは立て続けにチャンスを生み出し、40分にはMF藤田譲瑠チマ(22=シントトロイデン)の縦パスを、エースFW細谷真大(22=柏レイソル)が相手DFを背負いながら反転して見事にゴールネットを揺らした。同点に追いついたかと思われたが、VARの結果、オフサイドの判定で得点取り消しとなった。追加タイムにもセットプレーから細谷のヘディングがゴールポストに直撃。ゴールを脅かしたが、わずかに入らず1点ビハインドで折り返した。

後半開始から山田に代えてFW藤尾翔太(23=FC町田ゼルビア)を投入。得点を奪いに行く。序盤は相手が圧力を強めてきたが、徐々に日本がペースを握り返した。右サイドを中心に、攻撃の糸口を見つけ、後半20分前後にゴール前に何度も迫った。

しかし同28分、左CKから再びロペスに豪快なボレーシュートを決められてリードを広げられた。

1点を返したい日本は細谷が敵陣ゴール前でルーズボールをマイボールとし、強引に右足シュートを放った。しかし、ここもGKのビッグセーブに阻まれた。

そして後半42分、スペインFWアベル・ルイスに押し込まれ致命的な3失点目。最後まで1点を取りにかかったが、スペインの堅守を崩せない。健闘及ばず敗れた。

日本は、出場16チームで唯一、年齢制限のないオーバーエージ(OA)を活用せず、1次リーグ3試合を7得点0失点の3連勝で勝ち上がった。日本がOAなしで8強入りするのは史上初のことだった。大岩監督のもと、攻守にアグレッシブなサッカーを展開し、誰が出ても遜色ないチーム作りで躍進した。海外組が増え、OAだけでなく同世代でさえも満足に選手を選べない中、一体感を武器に、スペイン相手に一歩も引かないスタイルを貫いた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【男子サッカー】日本、スペインに0-3で屈し8強敗退…細谷同点弾も幻になる不運、健闘及ばず