就任1年目で昌平をインターハイ決勝に導いた玉田監督が試合後、インタビューに応じる(撮影・小林忠)

全国高校総体(インターハイ)サッカーの準決勝が2日、福島・Jヴィレッジスタジアムで行われ、昌平(埼玉)が帝京長岡(新潟)を2-1で下して決勝に進出した。

就任1年目でチームを初の決勝進出に導いた元日本代表FW玉田圭司監督(44)は、「勝ちに対する執念が選手たちから伝わってきた。耐える時間が多くなったが、よくやった」と振り返った。

試合は主将のMF大谷湊斗(3年)が前半5分、14分と立て続けにゴールを奪い、優位にゲームを進めたが、同32分に1点を返されると一気に流れが変わった。「めちゃくちゃしんどかった。先に2点取りましたけど、帝京長岡さんのプラン変更がすばらしかった」。最終盤はゴール前に人数をかけて猛攻をしのぎ、逃げ切った。「耐える力はすごく見せてくれたが、もう少し自分たちがやりたいことを整理できれば、もっといい試合になった。(試合時間が)3時間ぐらいに感じました」と苦笑いした。

21年に現役を引退し、23年4月に昌平のスペシャルコーチに就任。今春に監督業をスタートさせた。今大会は準々決勝の桐光学園(神奈川)戦で0-2から追いつき、PK戦で勝ち上がった。この日の試合前には「2点取られてから目覚めるんじゃなくて、0から最初からやれ」とゲキを飛ばした。「意識は変わったし、得点は自分たちが得意とする形で取れた。チームとして取ったゴール。すばらしい」とたたえた。

選手としては、習志野高(千葉)から99年に柏レイソルに入団。5季目の03年にはレギュラーに定着して11得点をマークした左利きのストライカーだ。J通算133ゴール。日本代表としてもワールドカップ(W杯)06年ドイツ大会、10年南アフリカ大会に出場し、06年大会ではブラジル相手にゴールを決めるなど、国際Aマッチ72試合出場で16得点の実績がある。攻撃スタイルを好む新米指揮官は「2点取って耐える戦いはしたくない。3点目を取る意識で出来れば。チャンスを決められない部分は改善の余地がある」と選手たちにさらなる成長を求める。

3日の決勝はここまで25得点無失点で勝ち上がった神村学園(鹿児島)と対戦する。「相手は無失点。プレッシャーは向こうにあると思う。僕たちはやりがいしかない。ここまで来たら勝ち負けはあるが、勝つためにプレーしたい」と言葉に力を込めた。【小林忠】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 元日本代表FW玉田圭司監督率いる昌平が耐えてインターハイ初の決勝進出「3時間に感じた」