浦和興梠慎三(2023年10月撮影)

浦和レッズFW興梠慎三が38歳の誕生日を迎えた31日、今季限りでの現役引退を発表した。この日、埼玉スタジアムで会見に臨んだ。

プロ20年目を迎えた節目の年で、興梠がユニホームを脱ぐ。宮崎・鵬翔高校から05年に鹿島アントラーズでプロ生活をスタートさせた。鹿島入りのきっかけは、鹿島の椎本邦一スカウトが、鵬翔高の増田誓志を獲得した際、1学年下の興梠のプレーに魅了されたから。スピードとドリブルを武器に国見高(長崎)の守備陣を翻弄(ほんろう)するプレーを見て「これはすごい」と感嘆し、オファー。獲得に至った。

プロ1年目の出場は8試合152分で無得点。2年目の06年は、先輩ストライカーの柳沢敦の背中を見て学んだ。頭角を現したのはプロ3年目の07年。スーパーサブとして22試合に出場し10得点を挙げ優勝に貢献した。08年には柳沢の背番号「13」を継承し、FWマルキーニョスとの2トップで8得点し連覇に貢献。裏への抜けだし、ポストプレーの引き出しも増え、09年には3連覇を経験し、エースの階段を上っていった。

13年からは浦和レッズに完全移籍。ペトロビッチ監督の下で、自己最多の13得点を挙げた。15年からは「興梠」「武藤雄樹」「李忠成」の「KLM」で観客を魅了するサッカーを展開した。浦和では2度のアジア・チャンピオンズリグ(ACL)優勝、2度の天皇杯優勝、1度のナビスコ杯優勝を経験した。

鹿島最終の12年からJ1記録の9年連続2桁ゴール。22年にコンサドーレ札幌へ期限付き移籍し、23年から浦和に復帰。今年3月17日の湘南ベルマーレ戦で得点を挙げ、あこがれの小笠原満男の記録を抜き、J1新記録の18年連続ゴールを達成し、J1通算でも歴代2位となる168得点を積み上げた。

大きな負傷がなく、J1で500試合出場を達成した際は「強い体に生んでくれた両親に感謝したい」と話した。幅広い得点パターンを持つ希有(けう)なストライカーに、他クラブのベテランストライカーも、若手ストライカーも「理想のストライカー」と挙げる。興梠のプレーが見られるのは、残り14試合となった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【浦和】FW興梠慎三が今季限りの現役引退を発表、38歳誕生日プロ20年目でユニホームを脱ぐ