日本対パラグアイ 前半、先制点を奪う三戸(撮影・垰建太)

<パリオリンピック(五輪)サッカー男子:日本5-0パラグアイ>◇24日(日本時間25日)◇1次リーグD組◇第1戦◇ボルドー競技場

【ボルドー(フランス)24日(日本時間25日)=佐藤成、木下淳】パリ五輪サッカー男子日本代表MF三戸舜介(21=スパルタ)とFW藤尾翔太(23=町田)が1次リーグ初戦パラグアイ戦でともに2得点し、チームの勝利に貢献した。五輪での日本選手の1試合複数得点は、04年アテネ大会初戦で同じ相手に小野伸二が記録して以来20年ぶり。1試合で複数人達成は史上初となった。

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先発最低身長164センチの三戸がピッチ上で最も強いインパクトを残した。前半19分に先制点を決めると、後半18分にはダイビングヘッドで貴重な追加点を奪った。

1点目は「“なんでこんなフリーなんだろう”というぐらい、ゆっくり時間があった」とリラックスして右足を振り、2点目は「“ここにボール来たらいいな”ってところに、ほんとにいいボールが来た」と公式戦初のヘディングゴールでネットを揺らした。

日本人選手のお手本のようなプレーヤーだ。中高在籍したJFAアカデミー福島で動きながらボールを正確に扱う技術と判断力を磨いた。「(身長に)悩んでいる時期もありましたけど逆にこれが武器と思うときがくる」と信じて努力を重ね、プロまで上りつめた。

約5年前に三戸のプレー集が日本サッカー育成界に出回ったことがある。U-17W杯ブラジル大会後、出場した三戸のプレーをテクニカルスタッフがまとめ、中学年代のトレセン指導者向けレクチャーで活用されていたという。大きな海外選手がファウルでしか止められない三戸の姿が映し出されていた。フィジカルが重視される現代サッカーにおいて、日本が勝ち残るための教本だった。

小柄な三戸が五輪という大舞台で結果を残した意味は大きい。「(身長が)小さいことで悩んでいる子たちに自分が勇気、元気、プロでやっていけるというところを見せられたらいい。諦めないで頑張ってほしい」と使命感を持って戦った。小さな巨人が圧倒的な存在感を放った。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【五輪代表】164センチ三戸舜介2得点「小さいことで悩んでいる子たちに」大舞台で圧倒的存在感