町田対横浜 前半、ゴールを決めた横浜天野はサムズアップする(撮影・宮地輝)

<明治安田J1:町田1-2横浜>◇20日◇第24節◇国立

横浜F・マリノスがキューウェル監督解任直後の試合で、クラブが掲げるアタッキングフットボールを取り戻した。

前半30分、FWエウベルのシュートが町田MF下田の手に当たり、VAR判定でPKを獲得。同33分にエースのアンデルソン・ロペスが冷静にゴール右隅に決めて先制した。

さらに前半43分、左サイドでエウベルの縦パスを受けたDF加藤がゴール前へグラウンダーのクロスボールを送ると、ファイサイドへ抜けたところをMF天野が押し込み追加点とした。

終盤に1点こそ失ったが、粘り強く戦い抜いて勝利。まさに選手が奮起する“解任ブースト”。前節鹿島戦に続く2連勝となった。

ハッチンソン暫定監督は中盤をダブルボランチに替えて攻守のバランスを整え、タッチ数の少ない速いテンポの攻撃を仕掛けた。攻守一体の躍動感あるサッカー。「今までやってきた中にもっと自由を与えた。それを高めることでお互いを見ながらいいポジションが取れた」と勝因について語った。

選手たちもすっきりした表情で試合を振り返った。

FW宮市は「みんなが(気持ちを)切り替えて前を向いてやれた成果かなと思います」。ハッチンソン暫定監督からは「俺たちはできるんだ」と信じることを強調されたという。そして「マリノスとしてはこの順位でいられない。そこのプライドは個々に持っている。それが発揮できたと思います」。

2点目のゴールを奪った天野は「練習からいい雰囲気でできていた。昔のマリノスに戻ってきた感じがあった。ジョン(ハッチンソン暫定監督)にはジョンの考え方があって。少ない時間でしたけど、それを表現できた。監督をしっかり信じて付いていくということを共有した」。

そして喜田主将は「ハリーと一緒にやってきたことは無意味ではなかった。そこからつながっているものを感じられた」。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で決勝まで勝ち上がった時のような結束力がこのチームの強みだと実感した。「苦しい時もありましたけど、ここから全員で前向きにチャレンジしていきたい」と意気込んだ。

トンネルは抜けた。だが本当の勝負はここからだ。11位に浮上したが、目標とするACL圏内の3位とはまだ勝ち点11差ある。

「リーグ戦も絶対に連勝していきたいし、他のタイトル(YBCルヴァンカップ、天皇杯)も狙っていきたい」とは宮市の弁。首位の町田をたたき、強いマリノスのプライドもよみがえった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【横浜】キューウェル解任ブースト!首位の町田叩き甦ったプライド「この順位でいられない」