U-23日本代表大岩剛監督(2024年7月11日撮影)

<パリ五輪サッカー男子(U-23)国際親善試合:フランス1-1日本>◇17日(日本時間18日)◇トゥーロン(スタッド・マイヨール)

【トゥーロン17日(日本時間18日)=佐藤成】パリ五輪サッカー男子日本代表が、開幕前最後の強化試合で金メダル候補の開催国フランスと1-1で引き分けた。13、14日にJリーグを戦った国内組のコンディション面が不安視される中、相手の猛攻を耐えしのいだ。防戦一方ながら、前半にMF藤田譲瑠チマ主将(22=シントトロイデン)が先制すると、24歳以上の特別枠オーバーエージ(OA)の強烈2トップ擁する相手攻撃陣を1失点に抑えた。24日に1次リーグ初戦のパラグアイ戦を迎える。

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のどをつぶした大岩剛監督(52)の表情は充実感に満ちあふれていた。内容で圧倒されて、なんとか引き分けに持ち込んだような試合展開だったが「収穫はケガ人が出なかったこと。やはり昨日(15日)の夜中に来て、このコンディションの中でよく1試合プレーしたと褒めてあげたい」と興奮気味に選手をたたえた。

代表選手の宿命とはいえ、国内組は超ハードスケジュールで試合を迎えた。14日にJ1の試合を終えたメンバーは、15日朝の便で日本を出国し、約14時間のフライトでフランスの合宿地へ。パリでの飛行機遅延などもあって宿舎に到着したのは15日深夜。時差調整もままならず、メンバー全員がそろって活動したのは試合前日だけだった。DFライン全員を含む5人が先発しながら、約1カ月間、合宿を組んでいた相手に負けなかったのは文字通り収穫といえる。

「格上」フランスとの一戦は、選手たちにとって強い刺激となったはずだ。4日の親善試合で日本の初戦の相手でもあるパラグアイを4-1で粉砕した強国について、MF山本は「正直レベルは一段上がったかなと感じた」、DF関根も「今までやってきた相手だったらたぶん一番強い」と素直にその実力を認めた。ブンデスリーガの強豪バイエルン・ミュンヘンへ移籍した逸材やプレミアリーグとフランスリーグで活躍するOA選手を含む相手と、大アウェーの空気感で真っ向勝負して得たものは多い。

もちろん課題もある。シュートは藤田の1本のみで、自分たちの意図する攻撃の形はほとんど生み出せなかった。それでも「メンタル面も含めて、技術的にも、ピッチも気候も、1試合経験できたことが非常に良かった」と同監督は評価した。移動も含めて全て中2日で試合をこなす五輪を上回る超強硬日程での「勝ち点1」獲得。慢心することもなく、気落ちすることもなく、最高の形で本番を迎える。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【U23日本代表】ハード日程も、フランスの猛攻耐え引き分け「収穫はケガ人出なかったこと」監督