練習でボールを持つ神戸FW武藤嘉紀(撮影・永田淳)

ヴィッセル神戸FW武藤嘉紀(32)が、誕生日を機にさらなる成長への意欲を語った。

16日は神戸市内のいぶきの森球技場での公開練習に参加。練習後にはチームメートからのパイ投げとサポーターからのバースデーソングで祝福を受けた。

15日に32歳の誕生日を迎えた元日本代表は「もう32(歳)なので、努力を怠ってしまったらそこで成長は止まってしまう。今までは経験や環境で年を重ねることで成長できたと思うけど、ここからは自分自身でプラスアルファのことをやらないと弱くなっていく年代。とにかく自分にむち打って、毎日サッカーに真摯(しんし)に向き合っていきたい」と強い気持ちを口にした。

マインツ(ドイツ)やニューカッスル(イングランド)、エイバル(スペイン)でもプレーしてきた武藤は、これまでのプロ生活を「うまくいきすぎた」と振り返る。プロになったばかりの頃に描いていた選手生活とは大きく違うものになったといい、その充実ぶりを今も感じ続けている。「何が何でも、しがみついてでも30歳までやろうと決めていたが、32歳になってもこういう素晴らしいクラブでプレーできているのは本当に幸せなこと。何ひとつ自分の選択に後悔はない。イングランドで試合に出られなかったり、辛い思いを経験したこともあったけど、今になってはそれですらいい経験だと思える。悔いのないサッカー人生を今のところ送れている」。

それでも現状で満足しているわけではなく、まだまだ貪欲な姿勢を失っていない。今季に入ってからは、これまであまりやってこなかったというジャンプ系のトレーニングを導入。さらなる瞬発力アップのため、日々進化を遂げようとしている。

「来年フリーになる身。契約がどうなるかもわからないから、とにかくチームにもアピールしないといけないし、自分自身の価値を高めていかないといけない。32歳からどのぐらいまでできるかわからないけど、やれるところまで全てをサッカーにささげていきたい」。今季も驚異的なパフォーマンスを継続する背番号11は、止まることなく貪欲に走り続ける。【永田淳】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【神戸】32歳迎えた武藤嘉紀が今後に意欲「やれるところまで全てサッカーにささげていきたい」