横浜の暫定指揮を執るハッチンソン監督(中央)

横浜F・マリノスは16日、ハリー・キューウェル監督(45)の電撃的に解任し、ジョン・ハッチンソン・ヘッドコーチ(44)が暫定指揮を執ると発表した。

朝のミーティングで選手たちには報告され、それを受けて新体制がスタートした。練習では少ないタッチ数で素早くボールを回す練習を繰り返すなど、アタッキングフットボールの根幹をあらためて見直す作業が行われた。

ハッチンソン暫定監督は、キューウェル監督と同じオーストラリア出身。これまでポステコグルー監督、マスカット監督のもとでもコーチを務めるなど、横浜の掲げるアタッキングフットボールの理念に精通した人物。練習終了後、メディアの囲み取材に応じ、今後について抱負を語った。

一問一答は次の通り。

-キューウェル監督が解任されましたが、今の率直な心境はいかがでしょうか?

「難しい状況ではありますが。この6カ月間、監督とコーチとして、また1人の友人としてやってきた。日本を去ってしまうのはすごく残念に思います。彼だけでなく、スタッフ、選手、チームとして責任持って次に向かっていきたい」

-今朝はチームにどういう呼びかけをしましたか?

「まずは(キューウェル)監督について、すごく残念な気持ちだと伝えました。だけどもっともっと自分たちはやれるよねと言いました。団結して、このクラブがどういうものかを考えてほしいと。今日まで選手たちはよくやっています。他のチームよりも試合数が多い中、タフなスケジュールの中でやってきました。そういうもしっかり伝えました」

-次は(20日に)町田戦ですが、何を改善したいですか?

「まずは(14日の)鹿島戦(4-1の勝利)で素晴らしいパフォーマンスをしてくれました。特に後半のパフォーマンスは本当に素晴らしかった。自分も、ハリーとも近い関係でやってきた中で、大きな変更でなく、少しの部分を変えるだけかなと思います。この間の試合を見ていただいて分かるように、我々は持っているものはあります。それをどれだけ自分たちで引き出せるかだと思っています。素晴らしい選手がちがこのクラブには集まっています。今日の発表の後、選手たちもいろんな気持ちがあったと思う中で、初日の練習を行い、素晴らしい練習をやってくれたと思います」

-ポステコグルーさんとも仕事をしてきましたが、ハッチンソンさんがこのクラブで表現したいことは?

「自分の信じているアタッキングフットボールは、プレスのところがすごくキーになっていると思います。攻撃的なサッカーをするためにはボールを持っていないと意味がない。相手からどれだけ素早くボールを奪い返すか、そこで奪い返した後にどれだけのパワーを持って攻撃に移れるか。このクラブのフィロソフィーを掲げているアタッキングフットボールというところで、自分もコーチの立場としてアンジェ、ケビン、そしてハリーのもとでやっていた自負があります。彼らからたくさんの学びがありましたし、それを取り入れて、クラブが求めているサッカーをやっていきたいなと思います」

-夏の移籍ウインドーでどう補強を考えていますか?

「いろんなところを同時に、いろんな考えをもって素早くやっていかなければいけない立場である中で、正直、昨日の夜にですね、クラブからやってほしいという言葉を聞いて、初日をやっている段階です。いろんな部分のマネジメントを見ないといけない中で、補強も見逃すことができません。今の段階でやれるところを見て、補強という部分も考えながら、クラブが何を求めてどこに向かうのか、そこも含めて必要とする選手を連れてこれたらいいと思いますし、自分は今いるメンバーたちも最高のメンバーがそろっていると思います。なのでいろんな部分を見て考えて、連れてきたいと思います」

-トップリーグで初めての監督となりますが、何を大事にしていきたいですか?

「まずはこの国でやるからには、リスペクトが大事だと思っています。それは選手に対しても、このクラブに対しても、スタッフに対してもです。一番大事なのは、このクラブがアイデンティティーとして持っているものです。自分が初めてこのクラブに来たのはアンジェ(ポステコグルー)監督がいた時です。その時に半年間やらせてもらった時にこのクラブが大事にしているアイデンティティーというのは何かというのは自分の中にもあります。そこをしっかり見つめてやっていきたいです。このアジアもそうですし、このトップリーグで監督としてやるのは始めてです。学びの部分にしても、この9年間でいろんな偉大な監督のもとで自分はいろんな部分を学ばしていただく立場でもありました。経験を含めて今、監督になったところでやっていきたいと考えています」

-フォーメーションなど具体的にどういうサッカーをやりたいですか?

「もちろん中盤の部分に関してはいろんなやり方があっていいと考えています。1ボランチでも2シャドーでもいいと思っていますし、それが2ボランチにしてもいいと思います。相手にによっても変化があるかもしれませんし、中盤に関しては自由というか、いろんな動きがあっていいかなと思います。一番大事なのはチームの規律です。今一度、再確認したい。今日の練習でも強く要求したボールのタッチ数を少なく限定し、素早い周りの動き、サポートもそうです。テンポの速さ、リズムを大事にしたい。今日やったようにやっていきたいと思います」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【横浜】キューウェル電撃解任でハッチンソン暫定監督「昨夜にやってほしいと聞いて」/一問一答