東京対新潟 前半、戦況を見つめる新潟松橋監督(撮影・宮地輝)

J1アルビレックス新潟は13日、FC東京に0-2で敗れ、国立競技場ではJリーグ公式戦通算6戦勝ちなし(1分け5敗)となった。ボール保持率は63%を記録し、相手の倍以上となる11本のシュートを放ちながら、逆にカウンターから2失点。今季も新国立で勝ち点3を得ることはできなかった。

ボールを保持し続けるスタイルで「てっぺん」を目指したものの、J2降格圏も気になり始めた。松橋監督は「勝つために何が必要か、みんなで見つめたい」と言った。サポーターの期待に応えるため、根本から見つめなおす必要がありそうだが、開催中の欧州選手権で快進撃を続けるスペインの変化は苦しむ新潟の参考になるかもしれない。

今のスペインはデラフエンテ監督下、伝統のポゼッションに固執せず、そのスタイルを大事にしながらも変化を加えた。これまでは相手に引かれてしまい、自滅することが何度もあった。だが、今ではリスク管理をより徹底。引くときは引き、両サイドのスピードを生かしたカウンターを取り入れた。もちろん、それを実現するための戦力が整っているからだが、同国のマルカ紙は「我々は時代に適応する術を知らなすぎた」と、この変化をポジティブに捉えた。

最近の新潟は過去のスペインと同じような失敗を繰り返している。松橋監督や選手は「ブレずに戦いたい」と言うが、そうしたチームとしての哲学を大事にしつつも、相手によっては臨機応変に戦い方を変化させることも必要かもしれない。【石川秀和】

◆FC東京に10戦未勝利 新潟はJ1在籍通算16シーズン目。監督、選手は入れ替わりながらも、対戦成績で一方的なカードが目立つようになった。FC東京には14年11月に3-1で勝ったのを最後に10戦未勝利(3分け7敗)と相性は最悪。J1で戦い続ける以上、避けては通れないと思われる浦和に26戦未勝利、鹿島にも10戦未勝利となっている。

(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「解析料理」)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【解析料理】新潟自滅「鬼門」国立6戦未勝利「勝つために何が必要か」参考になるスペインの変化