昨年、アルゼンチンのスカロニ監督はチームの先行きに漠然とした不安を感じ、メッシに相談した。「続けていけば必ず良くなる。そうでなければ、できるようにやるだけだ」。エースの言葉に背中を押されたという。 元代表で、同世代のアイマール、サムエル両コーチらの存在も、チームの潤滑油となった。監督が「これほど周囲に影響を与える選手は見たことがない」というメッシを中心に据え、団結力の高い集団が完成した。 若い力もチームに融合した。1次リーグ最終戦から先発に抜てきした22歳のアルバレスがメッシと2トップを組み、2人分と言っても過言ではない運動量で攻守に貢献。4ゴールを挙げてストライカーとしての本領も発揮し、フランスとの決勝ではカウンターによる2点目に絡んだ。21歳のフェルナンデスは中盤の広いエリアをカバー。相手のエース、エムバペがボールを持つと味方のサポートに加わった。 2得点に絡んだディマリアらベテラン勢もチームのために奔走した。「ここにエゴは存在しない。みんなサポーターのために戦った。王者としてふさわしかった」。44歳の若き指揮官はそう言ってイレブンを誇った。 (ルサイル時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕優勝トロフィーを手で触れるアルゼンチンのスカロニ監督=18日、ルサイル(EPA時事)