待ち焦がれた一発だった。1―0の前半ロスタイム。イングランドのケーンはフォーデンからフリーでパスを受け、ペナルティーエリア内へ進入。鋭いシュートをゴールに突き刺した。 今大会4試合目で生まれた初ゴール。「辛抱強く待っていた。得点を決めると、いつもうれしい」。前回大会の得点王は鬱憤(うっぷん)を晴らすように叫んだ。セネガルの戦意を喪失させる追加点をたたき出し、3―0の完勝に貢献した。 チームが4位となった前回は自身6得点のうち、決勝トーナメントではPKによる1点だけ。大会が進むにつれて、「パフォーマンスが落ちたように感じた」と言う。今回は反省を生かし、16強以降にピークを合わせてきた。1次リーグは無得点ながら全体トップの3アシスト。一発勝負の舞台に進み、エースが本領を発揮した。 国際Aマッチでの代表通算得点は52となり、ルーニーが持つイングランド代表最多記録まで1に迫った。準々決勝はエムバペを擁する前回王者フランスに挑む。「W杯で勝ちたいのなら、世界最高のチームと戦わなければならない。フランスはその一つだ」。壁を打ち破る覚悟を示した。 (アルホル時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、ゴールを決めるイングランドのケーン(左から3人目)=4日、アルホル(EPA時事) 〔写真説明〕前半、ゴールを決め、喜ぶイングランドのケーン=4日、アルホル