スーパースターは、やはり輝いた。フランスのエムバペがチームの全得点に絡む活躍で、8強入りに貢献。得点ランキングでも単独トップに立ち、「簡単な試合ではなかったし、難しい相手だった。重要な場面でゴールを決めることができた」と胸を張った。 前半は左サイドで縦に仕掛け、相手の最終ラインにプレッシャーをかけ続けた。同44分には先制点をアシスト。一度下がってボールを受けてゴール前のスペースを空け、そこを突いたジルーに絶妙なスルーパスを送った。 圧巻だったのは後半の2ゴール。徐々にプレーエリアを中央に移して迎えた同29分。フリーでボールをもらうと、ペナルティーエリア左から強烈な一撃をゴール左へ突き刺した。終了間際にもほぼ同じ位置から今度はゴール右へ。豪快にネットを揺らし、お決まりのポーズで喜びを表現した。 19歳で4得点を挙げ、衝撃デビューを飾ったロシア大会から4年。世界のトップ選手となって大舞台に戻ってきた23歳の「怪物」は、ここまで4試合で5ゴールと存分に力を発揮している。英データ会社のオプタによれば、24歳未満でW杯通算8ゴール以上を挙げたのは史上初めて。名将デシャン監督も絶賛の言葉を並べ、「彼は試合の流れを変える能力がある。チームに必要な偉大な存在だ」と最敬礼した。 絶好調のエムバペは「肉体的、精神的にも準備をしてきた。目標の優勝はまだ先にある」。頼れるエースの働きで快勝した王者が、まずは一つ階段を上がった。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、ゴールを決めるフランスのエムバペ(左)=4日、ドーハ