強豪が格下に敗れる波乱が続く今大会。ついに王国までもが、足をすくわれた。既に16強入りを決めていたブラジルはまさかの黒星。主力を休ませたとはいえ、チチ監督は「先発、控えは関係ない。私たち全員が負けた。責任の一端は私にもある」と渋い表情で語った。 スイス戦の先発メンバーからDFミリタン、MFフレジ以外の9人を入れ替えて臨んだ一戦。ボールを保持して攻めたがゴールは遠く、序盤から安定していた守備は試合終了間際に一瞬の隙を突かれた。ミリタンは「注意が足りず、得点を許してしまった。自分たちのプレーを考えると悔しい」と反省の言葉を並べた。 ブラジルの1次リーグでの黒星は、1998年フランス大会でノルウェーに敗れて以来。今大会は初戦から2連勝を飾り、1次リーグでの無敗記録を17試合に伸ばしていた。ドイツの持つW杯記録(16試合)を更新し、どこまで続くかと注目を浴びたその記録も止まってしまった。 G組首位はキープした。5日の決勝トーナメント1回戦では韓国とぶつかる。指揮官は「W杯は2度目のチャンスを与えてはくれない。だが、今回はそれがある」。気を引き締め直して決戦に備える。 (ルサイル時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、頭で競り合うブラジルのファビーニョ(中央)とカメルーンのアブバカル(左)=2日、ルサイル