同点に追い付いた3分後に、そのプレーは起きた。後半6分。堂安が右サイドからグラウンダーのクロス。逆サイドに流れ、ゴールラインを割ったようにも見えたぎりぎりのところで、三笘が左足を必死に伸ばす。「1ミリかかっていればいいなと思った」  ゴール前に折り返すと、そこに飛び込んだのが田中。右脚に当てて押し込み、値千金の勝ち越し点が生まれた。当初はボールがラインを割ったとしてノーゴールの判定。約2分間のVAR検証の末、主審は日本の得点を示した。「願っていた。僕の感覚では中だった」とアシストの三笘。「自分の脚が長くてよかった」と、クールな男が珍しく得意げに話した。  ボールが出たかどうかは地面でも空中でも、ライン上を完全に越えているかどうかで決まる。まさにぎりぎりのゴールだった。逆転勝ちした初戦のドイツ戦でも途中出場で同点ゴールに絡んだ日本の切り札は「このまま終われない気持ちが強かった」と胸をなで下ろした。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕スペイン戦、VAR検証の結果ゴールラインを割っていないと判定され、日本の決勝点につながった三笘(手前)の折り返し=1日、ドーハ(EPA時事) 〔写真説明〕スペイン戦、VAR検証の結果ゴールラインを割っていないと判定され、日本の決勝点につながった三笘(左)の折り返し=1日、ドーハ(EPA時事)
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 三笘、執念のアシスト=「1ミリでも」、VAR検証の末―W杯サッカー