最後と位置付ける5度目のW杯。夢への挑戦をここで終わらせるわけにはいかなかった。アルゼンチンのメッシは第2戦までと比べて、明らかにギアが上がっていた。  司令塔として攻撃を組み立て、前線へ芸術的なパスを次々と供給。変幻自在なドリブルで相手をかわし、何度も危険なエリアへ進入した。前半39分、ゴール右を狙ったPKを止められて先制点を逃すと、顔をしかめた。「腹立たしかった」  ミスを挽回しようとスイッチが入ったのか、後半のプレーは圧巻だった。後半5分すぎ、ハーフライン付近からペナルティーエリア内まで高速ドリブルでピッチ中央を切り裂き、観衆がどよめいた。3試合連続得点は生まれなかったものの、別次元のプレーで魅了。3戦連続フル出場で、2―0の快勝に貢献した。  このポーランド戦でW杯通算出場22試合となり、2年前に死去した英雄ディエゴ・マラドーナさんを抜いて母国代表の最多記録を更新した。「こういう記録を続けられるのはうれしい。ディエゴはいつも愛情を注いでくれた。私に良いことがあると喜んでくれた」。偉大なスターを上回り、自然と笑みがこぼれた。  初戦でサウジアラビアに屈したショックから立ち直り、2連勝でC組首位通過。次はオーストラリアとぶつかる。「難しい試合になるだろう。ここからまたW杯が始まる」と決意を新たにした。悲願の頂点まであと4勝だ。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、ドリブルで攻め込むアルゼンチンのメッシ(右)=11月30日、ドーハ
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 メッシ、別次元のドリブル=英雄超え、母国の最多出場―W杯サッカー