【ドーハ時事】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会、イラン―米国戦が行われたアルトゥママ競技場では試合後、両国のサポーターらが健闘をたたえ合った。両国は政治的に緊張状態にあり、サポーター同士の衝突などが懸念されていた。 キックオフ2時間前の午後8時ごろ、ユニホーム姿のサポーターらが続々と競技場を訪れた。応援歌や鳴り物の音が響き、熱気は早くも最高潮に。両国の国旗を掲げ、握手して記念撮影する人々の姿も見られた。 場内の観客席に緩衝帯はなく、両国サポーターが隣同士に座ることもあった。試合前にはイランのハジサフィ、米国のアダムズ両主将が握手。試合後には座り込んだイランの選手に米国の選手たちが声を掛けた。 ドーハに住む米国出身のマイクさん(60)は「素晴らしい試合だった。スタンド席ではみんな立ち上がり、一緒に楽しんだ。イランサポーターが私たちの勝利を祝ってくれた」と語った。イランから来たというワヒードさん(20)は「米国は強かった」と落胆した様子。イラン国旗を身にまとったアフマドさん(42)は「スポーツと政治は完全に別物だ」と話した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕イラン―米国戦を観戦後、会場のアルトゥママ競技場(奥)を後にする人たち=30日未明、ドーハ