身体能力が高い選手をそろえたカメルーンには、どこか危うさもある。劣勢で下を向いたかと思えば、突如として戦士の顔を見せる。 負ければメキシコに並んで大会ワーストの9連敗となる。それでも、スタジアムに着いた選手の表情に悲壮感はなかった。陽気に歌ったり踊ったりしながらロッカールームへ。スイスとの初戦の後、ソング監督が選手を集めて訴えかけた言葉が効いたようだ。「過去の過ちは忘れ、前に進み続けなければならない」 セルビアから3得点を奪ってドローに持ち込んだ試合に、正GKオナナの姿はなかった。規律面で問題があったと指揮官は説明し、「彼は非常に大切な選手だが、私の役割はチーム全体について考えることだ」。世界トップクラスの選手に対しても厳しい姿勢を示している。 過去にはたびたび内紛を繰り返してきた歴史があるが、今年ソング監督が就任してから、チームはまとまったように見えていた。オナナは再びチームに戻る可能性もあるという。現役時代からカリスマ性に富んでいた指揮官が、どうかじを取るかが注目される。 (アルワクラ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、試合を見守るカメルーンのソング監督=28日、アルワクラ