監督としてのW杯初勝利は手にできなかった。セルビアは2点のリードを守れず引き分け。試合終了のホイッスルが鳴ると、「ピクシー(妖精)」の愛称で知られるストイコビッチ監督は静かに相手監督へ握手を求めた。 主導権を握りながらもCKから先制点を献上。嫌な流れを前半ロスタイムに一変させた。タディッチが中央からのFKをふわりとゴール前に送ると、パブロビッチが頭で決めて同点。直後にS・ミリンコビッチサビッチがネットを揺らして一気に試合をひっくり返した。 ただ、リードを2点に広げた後の試合運びに問題があった。後半20分前後に最終ラインが立て続けに裏を取られて2失点。前日会見で指揮官は「カメルーンはカウンター攻撃で脅威を与えられるチームなので、そうした状況に注意しないといけない」と警戒していたが、対策ができなかった。 後半開始早々に3点目を奪った場面では、ゴール前でテンポ良くパスがつながり、相手の守備は完全に崩壊。昨年3月の就任以降、植え付けてきた攻撃的なサッカーが発揮された。黒星を喫したブラジル戦に続いて勝ち点3を取れなかったものの、築いてきたものは確かに見せた。 (アルワクラ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕厳しい表情で試合を見守るセルビアのストイコビッチ監督=28日、アルワクラ 〔写真説明〕前半、勝ち越しゴールを決めるセルビアのS・ミリンコビッチサビッチ(左)=28日、アルワクラ 〔写真説明〕前半、頭で同点のゴールを決めるセルビアのパブロビッチ(左から2人目)=28日、アルワクラ