カナダ・サッカー界が待ち望んでいた瞬間が、クロアチア戦の開始早々に訪れた。前半2分。デービスのヘディングシュートがゴールネットに突き刺さると、チームカラーの赤色に身を包んだスタンドのファンが総立ちで歓喜の雄たけびを上げた。 1得点も挙げられず、3連敗で終わった初出場の1986年大会から36年。ようやく出場にこぎ着けた2度目のW杯で、前回準優勝の強豪から電光石火の先制点を奪った。「このゴールを長い間待ち望んできた。W杯のピッチに立ち、ボールがゴールネットを揺らす光景は何度も夢に見てきたから」。39歳の主将ハッチンソンは感慨深げにそう話した。 2026年大会を米国、メキシコと共催するカナダにとって、今大会での活躍は国内のサッカー熱を高める足掛かりとなる。2連敗で1次リーグ敗退は決まったものの、モロッコとの最終戦ではW杯での初勝ち点獲得を目指す。ハードマン監督は「モロッコ戦はカナダにとって重要な試合。われわれは歴史をつくるためにここに来た」。有終の美を飾り、4年後へとつなぐつもりだ。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕クロアチア戦、W杯でカナダ初となるゴールを決めて喜ぶデービス=27日、ドーハ(EPA時事)