J2岡山でプレーするストライカーがW杯で輝いた。オーストラリアのデュークが殊勲のゴール。決定機の少ない展開で貴重な役目を果たした。 これぞセンターフォワードという動きだった。前半23分。ポストプレーで起点をつくり、味方が左へつなぐと、グッドウィンがクロス。相手に当たったボールをヘディングで巧みに浮かし、遠いサイドへ流し込んだ。「決まった瞬間は天にも昇る気持ちだった」。息子の名前の頭文字「J」を手でつくり、自身のゴールを祝った。 球際で強く体をぶつけてくるチュニジアの選手たちに対抗した。守備でも相手DFに激しくプレスをかけ、自由にパスをつながせない。「フィジカル的に激しい試合で、相手サポーターが多く、とても情熱的な雰囲気だった」。前半の主導権奪取に大きく貢献し、後半19分に退くまで、体を張り続けた。 31歳でのW杯デビューまで、紆余(うよ)曲折の道のりを歩んできた。2013年にA代表デビューを果たしたものの、その後は遠ざかる。カタール大会アジア予選で返り咲いて結果を残し、東京五輪にも年齢制限のないオーバーエージ枠で出場した。 かつて清水でプレーし、昨夏岡山入りした。今季はリーグ戦8得点。「より良い選手になるためにさまざまな経験ができたし、多くの知識を得られた」。日本での成長を実感している。 初戦はフランスに1―4で大敗。負ければ1次リーグ敗退が決まる状況だった。「全員が110%の力を出して、勝つことができた」。母国を救った苦労人は謙虚に話した。 (アルワクラ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、先制ゴールを決め祝福されるオーストラリアのデューク(右)=26日、アルワクラ 〔写真説明〕チュニジアに勝利し、喜ぶオーストラリアのデューク(中央)ら=26日、アルワクラ