頼れるエースがまた決めた。1点を追う後半4分、敵陣でのボール奪取から得たエクアドルのチャンス。エストゥピニャンがシュートを放った瞬間、バレンシアはオフサイドぎりぎりのポジションからゴール前へ走り込み、GKがはじいたこぼれ球を押し込んだ。 この日は本職のセンターフォワードではなく、1トップの後方で先発。主に左サイドでプレーしたため、前半はペナルティーエリア手前から狙ったミドルシュート以外に直接ゴールを狙うチャンスがなかった。 それでも攻撃の組み立てに貢献しながら虎視眈々(たんたん)と機会をうかがい、ワンチャンスをものにした。カタールとの開幕戦で2得点を挙げた33歳は、ここまでチームの全得点をたたき出している。エクアドルが前回出場した2014年ブラジル大会でも、チームの全3得点をマークした。 それだけ重要な存在だけに、心配なのは膝の状態だ。試合終盤に開幕戦で痛めた右膝を抱えて倒れ込み、担架で運ばれてピッチを後にした。試合後に膝の捻挫を抱えながらプレーしていたことを明かし、「少し痛みはあったけど、重要なのはチームの力になれたこと」と気丈に話した。 セネガルとの最終戦で引き分け以上なら1次リーグ突破を決められる。エースが欠場となれば大きな戦力ダウンとなるが、不屈のストライカーは「きょうやれたのだから、次はより良い状態でプレーできると思う」と出場への意欲を口にした。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、同点ゴールを決めるエクアドルのバレンシア(奥)=25日、ドーハ(EPA時事) 〔写真説明〕後半、同点ゴールを決めるエクアドルのバレンシア(左)。右はオランダのGKノパート=25日、ドーハ(ロイター時事) 〔写真説明〕後半、競り合うオランダのティンベル(左)とエクアドルのバレンシア=25日、ドーハ