【ドーハ時事】サッカーのワールドカップ(W杯)で、アジア勢が連日の番狂わせを起こし、世界を驚かせた。22日に国際連盟(FIFA)ランキング51位のサウジアラビアが3位のアルゼンチンを破り、23日には24位の日本が11位のドイツを撃破。共に0―1の劣勢から後半に逆転劇を演じてみせた。 共通するのは強気な姿勢だ。サウジアラビアはリスクを覚悟で、最終ラインを高い位置に設定。メッシを擁する相手の攻撃をオフサイドの網にかけ、リズムを乱した。日本も後半に布陣を4バックから3バックに変え、サイドのプレスが効果を発揮。流れを引き寄せた。 アルゼンチンはW杯優勝2度、ドイツは同4度を誇る屈指の強豪だ。両試合とも同点となった後は会場の雰囲気が一変。サウジアラビアはアジア勢で初めてアルゼンチンに土をつけ、日本は優勝経験のあるチームから初めて金星を挙げた。 日本の主将、吉田は「サウジが0―1から逆転して大きなことを成し遂げたので、自分たちもできると信じて戦った」と言った。大会公式ツイッターは日本の試合中に「W杯のマジック!」と投稿。勝利後は「目の前でつくられる歴史」とたたえた。 開催大陸でもあるアジア勢はカタールがエクアドルに0―2で敗れ、開催国では大会史上初めて開幕戦で黒星。第2日のイランもイングランドに2―6と大敗を喫して苦戦が続いていたが、両雄が意地を示した。快進撃を続けられるか。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ドイツに逆転勝ちし、盛り上がる日本サポーター=23日、ドーハ 〔写真説明〕アルゼンチンに勝利し、サポーターと喜ぶサウジアラビアの選手=22日、カタール・ルサイル