スタンドには緑のユニホームをまとったサポーターが大挙し、熱狂的な相手サポーターに引けを取らないほどの声援を送った。中東の地の利も生かしたサウジアラビア。初戦でアルゼンチンを破る番狂わせをやってのけた。 劣勢でも諦めず、果敢にボールを追い続ける姿勢が光った。世界トップクラスの選手がずらりとそろう相手とは異なり、全て国内リーグ所属の選手という構成。「結束することが最も大事だ」。ルナール監督が植え付けた意識をピッチ上でよく体現していた。 1998年フランス大会で初出場した日本を含め、W杯でアジアのチームは一度もアルゼンチンに勝ったことはなかった。記念すべき初白星となったが、指揮官は「喜ぶのは20分間で十分だ。きょうは素晴らしいことを成し遂げたが、地に足をつけなければいけない」と次戦を見据えた。 既に初戦を終えたカタールとイランは、見せ場をつくれずに苦杯をなめた。開催大陸アジアの影が薄れかねない中、中東の雄が世界に存在感を示した。 (ルサイル時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕アルゼンチンに勝利し、喜ぶサウジアラビアの選手=22日、ルサイル 〔写真説明〕後半、勝ち越しのゴールを決め、喜ぶサウジアラビアのS・ドサリ(左)=22日、ルサイル