引き分けもちらついてきた後半39分。オランダは精彩を欠いていたF・デヨングが、相手DFラインとGKの間に絶妙な浮き球パスを出した。これを「触るだけだった」と言うガクポが後頭部付近に当てたボールがゴールに吸い込まれる。ようやく均衡を破ると、終了間際には途中出場のクラーセンがとどめを刺した。  結果だけを見れば2―0だが、クラーセンが「タフな試合だった」と認めたように、どちらに転んでもおかしくない内容だった。セネガルの激しい寄せに遭い、守備から攻撃へつなぐ役割のF・デヨングはパスミスが多く、カウンターを受ける場面も目立った。  苦しい試合で奮闘が光ったのは屈強な3バックだ。195センチの主将ファンダイクが中央でにらみを利かせ、競り合いでは負けない。味方がかわされたピンチではシュートを頭でクリア。デリフト、アケも危機を察知するのが早かった。ファンダイクは「きょうは勝ち点3を得るのが重要だったし無失点。いいスタートを切れた」と納得した。  3位に入った2014年ブラジル大会も率いたファンハール監督は、今大会のメンバーの方が当時よりも質が高いとし、「世界王者になれると思っている」と自信を示す。指揮官は前立腺がんを患い、大会後の退任が決まっている。花道を飾るための戦いは、苦しみながらも白星発進した。 (ドーハ時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、先制ゴールを決め、ファンダイク(左)と抱き合って喜ぶオランダのガクポ=21日、ドーハ
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 屈強な最終ライン光る=オランダ、苦戦も白星発進―W杯サッカー