サッカーのワールドカップ(W杯)には予想外の結果が付き物。日本がドイツ、スペイン、コスタリカに挑むカタール大会開幕を前に、過去5大会で起きた波乱や番狂わせを振り返る。 ◇過密日程の影響も 2002年日韓大会は衝撃の幕開けだった。主役はセネガル。ソウルで行われた開幕戦で、1998年に地元優勝したフランスを1―0で破った。 高い身体能力に組織力が加わった。中盤に守備的な3選手を並べ、王者の華麗なパスワークを封じる作戦がはまった。ボールを奪うと、ディウフらのスピードを生かして速攻。ゴール前でクロスのこぼれ球をB・ディオプが泥臭く押し込み決勝点を挙げた。 セネガルはデンマークと引き分け、ウルグアイには3点リードを追い付かれたものの、初出場で1次リーグA組を突破。決勝トーナメント1回戦でスウェーデンを延長戦の末に破り、アフリカ勢2チーム目となるベスト8進出の快進撃を見せた。 波乱には過密日程が影響したとの見方もある。フランスは英雄ジダンが直前の強化試合で脚を負傷。司令塔が最初の2試合を欠場し、1勝もできないまま帰国。アルゼンチン、ポルトガルの1次リーグ敗退も、クラブでの試合数の多さが問題視された。 カタール大会は異例の11月開幕で、欧州各国リーグ戦などは1週間前まで行われる。強豪国の仕上がりに響くかもしれない。 (時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕W杯日韓大会、開幕戦でフランスを破る決勝点を挙げたセネガルのB・ディオプ(右端)=2002年5月31日、ソウル(AFP時事)