衝撃の一発で敵地神宮のファンをどよめかせた。オリックスの太田が、日本シリーズ史上初となる初球先頭打者本塁打。2試合連続で1番に据えた中嶋監督の起用に最高の形で応えた。 迷いはなかった。「何とかいい流れを持って来られるように思い切って振っていこう」。サイスニードが投じた低めの145キロをきっちり捉え、「タイミングもしっかりと合っていたし、いい感触で打てた」。打球はバックスクリーンに届く豪快な先制アーチとなった。 昨年の日本シリーズ第5戦で、適時三塁打を放つなど大舞台での勝負強さが光る。高卒4年目の今季は何度も1、2軍を行き来する悔しさを味わったが、「コンパクトに、振り過ぎないことを意識してやってきた」。終盤は離脱した安達の穴を埋める活躍でリーグ連覇に貢献した。 2敗1分けから一気の3連勝で日本一に王手をかけたオリックス。その勢いを示すような先制攻撃だった。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕1回、先頭打者本塁打を放つオリックスの太田=30日、神宮