昨年の日本シリーズでは神宮球場が使えず、東京ドームがホームとなった。ヤクルトはリーグ優勝した2015年以来となる本拠地開催で勝利をファンに届けた。 相手の絶対的エース山本を切り崩したのは、1番塩見。立ち上がりの1球目が甘く入ったのを見逃さずに左前へ運ぶと、二盗にも成功。5番オスナの先制2点二塁打を呼び込んだ。塩見は三回、オスナは四回に、ソロ本塁打で追加点をもたらした。 八回に1点差に迫られた直後、ムードを一変させたのは、やはり主砲の村上だった。外角低めの変化球を引っ張って、右中間へ豪快にソロアーチを架けた。「1点返された後だったのですぐに取り返したかった」。その思いが結実した一発だった。 今季12球団最多の174本塁打、619得点をマークした強力打線。層の厚さと勝負強さを短期決戦でも証明している。 日本シリーズ連覇は、1990年代に故野村克也監督が率いた黄金時代でもなし得なかった大きな壁。高津監督は「パ・リーグに負けたくないという気持ちが強い」と強い決意を示している。持ち味を発揮した勝利で、幸先の良いスタートを切った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕8回、オリックスの平野佳(手前左)からソロ本塁打を放つヤクルトの村上=22日、神宮 〔写真説明〕4回、ソロ本塁打を放つヤクルトのオスナ=22日、神宮