プロの世界へ二刀流として飛び込む扉が開いた。日体大の矢沢は、投打とも続けさせる考えで1位を公言していた日本ハムが単独指名。「どちらも本気でやっていきたい」。決意に満ちた顔で言った。 仮に交渉権を得た球団が投手か野手に専念させる方針でも、従う考えだった。ただ、本音としては、一つに絞るのは「嫌な部分があった」と明かした。大谷翔平(現エンゼルス)を二刀流として大成させた実績がある日本ハム。「そういう選手がいたチームにしか分からないこともある。しっかり学んでいきたい」。ぶれずに上を見据える。 4年前は指名漏れ。その年の12月に父明夫さんが心臓発作で亡くなった。悔しさ、悲しみを乗り越え、大学を経てドラフト1位で指名される選手に成長した。 左腕からの直球は最速152キロ。スイングは力強く、50メートル5秒8の快足も持つ。対戦したい選手はヤクルトの村上と、ロッテの佐々木朗。「三振を取りたいし、ホームランを打ちたい」。球団が期待するオンリーワンの存在へ。スタートラインに立った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕日本ハムから1位指名され、笑顔で記者会見する日体大の矢沢宏太選手=20日午後、横浜市青葉区 〔写真説明〕日本ハムから1位指名され、チームメートに祝福される日体大の矢沢宏太選手(中央)=20日午後、横浜市青葉区