オリックスのエースが、2位からの下克上を狙うソフトバンクの前に立ちはだかった。 第1戦の先発マウンドを託された山本が8回5安打、10奪三振で無失点に封じ込んだ。味方の援護もあって、堂々とした投球で役割を十二分に果たした。 一回に先頭三森を3球三振に仕留め、最高の立ち上がりを見せた。四回までに6奪三振。150キロ台後半の直球を軸に付け入る隙をほとんど与えなかった。五回こそ連打と犠打で1死二、三塁のピンチを招いたが連続三振で脱し、マウンドでほえた。 2年連続で投手4冠に輝いた絶対的エース。今季は調子の波もあったが、相手が研究してくる中で圧巻の成績を残した。それでも「何とかごまかして抑えた試合もあった。もっともっと圧倒できる試合が増えたら」。どれだけ数字を残しても、慢心はない。 登板前日には「初戦を取るとかなりリードになる。絶対に勝ちたい」。そう言って強い意気込みを示していた。緊張感のある大事な試合でも普段と変わらずに持てる力を存分に発揮し、チームにぐっと勢いをつけた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕力投するオリックス先発の山本=12日、京セラドーム