ヤクルトの怖い打者は4番に座る三冠王の村上だけではない。一回2死から山田と村上が連続四球で出塁し、5番オスナが豪快に3ラン。村上の本塁打はもちろん警戒すべきだが、歩かせてもまたリスクだということを、阪神に知らしめる効果的な先制点となった。 2ボール1ストライクからの4球目。「一発で仕留められた」と振り返った通り、最初のスイングで西勇の浮いたシュートを左翼席に運んだ。「先制してチームに勢いを付けたかった」 ヤクルト2年目の長距離砲。レギュラーシーズン序盤は下位の打順を打つことが多かったが、徐々に調子を上げ、村上の後ろを任されるようになった。最終的に今季は20本塁打、74打点。村上が勝負を避けられた際の点の取り方がチームの課題ではあるが、先制3ランで存在感を示した。 高津監督はCSを前に、「短期決戦では一球、一打席、一イニングが勝敗を決めてしまうこともよくある」と集中力の大切さを説いた。オスナがまずは鮮やかな一撃で期待に応えた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕1回、先制3ランを放ち、ベンチ前で喜ぶヤクルトのオスナ(右)ら=12日、神宮